「とても実のある贈り物」

今日は、親子３人でマジックショーを見に行きました。

生で手品ショーを見るのが初めての息子は、最初から最後まで、ずっと不思議そうな顔で見ていました。うふふ♪



私も、久しぶりのマジックショーに興奮ぎみ。

マジックではお馴染み・お約束のあの曲「オリーブの首飾り」が鳴り始めると、テンションはいやでも高まる。



「わー、やっぱりマジックって言ったら”オリーブの首飾り”よね！私これ大好きー！」



そんな私を、息子がこれまた不思議そうな顔で見ていたことに、私は気付かなかった。



その夜。ふと息苦しくて目を覚ますと…　息子が、私の首を紐で絞めていた。



「！？」しかし半覚醒の状態のせいか、体が動かない。

息子は私が起きたことに気づかす、そのうち紐をほどいて、自分の布団に戻って眠りに就く。



…なんだったの！？あの子があんな恐ろしいこと…

ううん、そもそも、何であたしを殺そうと…恨まれるようなことしたっけ？お昼はあんなに仲良くしてたのに！



しかし次の日、疑問は氷解する。　「ママ、これ…あげる！」

息子が差し出したのは「オリーブで作った首飾り」だった。



「あのマジシャンの女の人がしてた首飾りが欲しかったんだよね？ママ、オリーブ好きだもんね！」



ああー、昨夜のは、首周りのサイズを測ってたのかー！

…って、昨日の女マジシャン”プリンセス・ウェザー”が付けてたのは黒真珠（の模造品）だと思うけど…

たしかに、ブラックオリーブと見た目はそっくりね。



そして、確かに「オリーブ」も好きだけど、好きは好きでも「好物」のほうだ！　…それに、これって…



「ねぇ、このオリーブ、冷蔵庫に入ってたやつ？」

「うん！お家にはこれしかなかったから。大変だったんだよー！」



確かに、種を抜いてあるヤワヤワのブラックオリーブを数珠つなぎにするのは大変だったろう。

「でもこれ、食べるためのオリーブだから、身につけるわけにはいかないわね…だけど、気持ちは嬉しいわ、ありがとう！」



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その夜、事の顛末を夫に話した。「…というわけなのよ！ケッサクでしょ？」　

「ははは、カワイイ勘違いだな！　…ところでさ、今オレたちが酒のつまみに食べてるオリーブって…」



「もちろん、そのオリーブよ？食べなきゃもったいないでしょ？」

「いや…いくらなんでも、不衛生じゃないか？」　さすがに夫は、渋い顔をする。



「大丈夫！ちゃんとワインで洗ったし！今もこうやって、アルコールで消毒しながら食べてるでしょ♪」

「ああ、まぁどうりで乙な味がすると思ったよ…」



パパは苦笑いしましたが、この話もオリーブも、いい酒の肴になったようです♪