【正解を創りだす】つないだ手と手(と手)【ウミガメ】

味噌汁は重要ですか？

マジックハンドは10m以上伸びますか？

これが最後と思ってたのに次回もありましたか？

天気は重要ですか?

登場人物はカメオと原因となった人物の2人だけで成り立ちますか？

大いに盛り上がりますか？

みえそうでみえないのは重要ですか？

ヨーグルトと杏仁豆腐を間違えますか？

将来の夢は重要ですか？

カメオの髪型は重要ですか？

目玉焼きには醤油派ですか？

必殺技を発動しますか？

会いたくて会いたくて震えますか？

ドイツに行きますか？

吸血鬼に遭遇しますか？

当時の死生観は重要ですか？

JKをナンパしますか？

洗脳されますか？

ビデオが発掘されますか？

発音は重要ですか？

パルクールは関係ありますか？

古文書にヒントがありますか？

思えば遠くへ来ましたか？

些細な誤解がありますか？

美少女フィギュアは重要ですか？

独裁者を倒しますか？

バレエのために留学しますか？

宇宙人を追いかけますか？

着ぐるみの中は暑かったですか？

階段落ちを決めますか？

徹底的にやりますか？

流れが速いですか？

フリフリのフリルでは可愛すぎますか？

ミサイルを発射しますか？

カメオ君は冬よりも夏の方が好きですか？

早口言葉では勝てませんか？

「５９」という数は重要ですか？

悪口には悪口で返しますか？

不良をボコりますか？

無味無臭の毒は登場しますか？

1145141919円課金してしまいますか？

大物政治家に口添えしてもらえましたか？

アマゾンで買い物しますか？

握手の際にはステップを踏みますか？

振り返ればそこにツボがありましたか？

異国にあこがれますか？

卒業制作のトーテムポールがかぶってしまいましたか？

言い直す手間を惜しんでそのまま押し通しますか？

アイドルデビューを果たしますか？

不老不死にあこがれますか？

ペットボトルのお茶が半分ほど残っていますか？

ボイスチャットをしますか？

時にはおさなごのように振る舞うことも必要でしたか？

腕時計は防水タイプのものでしたか？

返済期日が過ぎてしまいましたか？

管理人になりますか？

朝ドラの主演女優になりますか？

最後だと認めたくないですか？

3時にウミガメ公園に居たことが証明されましたか？

弟が何かを隠してますか？

スネークされてしまいますか？

自分のストーカーと遭遇しますか？

余った布を縫い合わせますか？

意外とイケメンでしたか？

船酔いしますか？

高級パンを大人買いしますか？

着地点にはワイングラスが転がっていますか？

メールを読みますか？

スイングだけは素晴らしいですか？

正義の味方は登場しますか？

気付くと隣には誰もいなくなっていましたか？

軟膏をたくさんぬりますか？

犬が走りますか？

過程よりも結果を優先しましたか？

子供にキラキラネームを付けますか？

弥生土器が落ちていましたか？

震えが止まりませんか？

弁当箱にバランが入っていますか？

スープには誰も手を付けませんか？

洗濯機の中に隠れますか？

背が小さくて得をしますか？

クロールよりも犬かきの方が速いですか？

太陽が西から登りましたか？

いいことをした後はヨーグルトがおいしいですか？

提督になりますか？

女性専用車両は重要ですか？

最期のカーブで逆転劇が起こりますか？

３分待ちましたか？

黒縁メガネですか？

記者になりますか？

畑で育てていたのはそれは見事な大根でしたか？

沈黙に耐えきれませんでしたか？

特殊能力をもっていますか？

鬼は外ですか？

実力は折り紙つきでしたか？

廊下を走ってはいけませんか？

100点を取るのは難しいですか？

最後のキスはたばこのにおいがしましたか？

手には航空機のチケットが握られていましたか？

携帯電話を充電しますか？

真犯人がいますか？

タイトル『大怪盗カメオvs猟犬ミソシル』

国際刑事警察機構に所属する敏腕女刑事、コードネーム『①ミソシル(MisoSoup)』。 彼女が追っているのは正体が②見えそうで見えない謎の大怪盗、カメオ。 カメオの⑮実力は折り紙付きで今まで後手後手に回っていたが、『猟犬』と呼ばれるほどの調査能力を持つミソシルは「⑤冬の寒冷な気候よりも夏の温暖な気候を好む傾向にある」「⑦異国への憧れが散見される」等のカメオのプロファイリング結果から本拠地日本が冬の今、次の犯行がオーストラリアで行われると予測。カメオのアジトがあるとにらんだ裏路地に潜んでいても怪しまれぬよう、⑨余った布を縫い合わせて作ったボロを被りながら、⑩大人買いした高級パンを片手に張り込みを行っていた。 [編集済]

ある日、浮浪者に扮して張り込みを続けていたミソシルの前を髪がふさふさの男が通り抜けた。男はそのままアパートメントの一室へ向かったが…前にあの部屋に住んでいるのは③ハゲが一人だったはず。そう思ったミソシルが男に視線を向けると…目が、あった。

男はそれまでのだらしない歩き方が嘘のように素早い身のこなしで逃げる。ミソシルもボロとパンを投げ捨てて追いかける。

「ここに辿り着くとはやるじゃないか、権力の犬！だが僕を捕まえられるかな？」 [編集済]

先を逃げるカメオは懐から箱のような物を取り出すと、ミソシルに向かって放り投げた。爆発物か！？そう思った時にはそれは既に目の前で、反射的に手で弾く。軽い衝撃音と共に散らばったのは…⑫大量のバラン。ただの弁当箱だったらしい。

「ふざけた真似を…！⑪犬の走りを舐めるなよ！」

その後も二人の追いかけっこはどこまでも続くかと思われたが、ミソシルはカメオの一瞬の隙を突き、ついにカメオを捕縛することに成功した。 [編集済]

ついに、ついにカメオを捕まえる事に成功した。拘束も済み、逃げられる心配もない。⑭3分も待てば応援が到着する。どれ、その間に素顔でも拝んでやろう…そう思って変装を剥いで出てきたのは、かつての同僚であり、友人であり…恋人でもあった『ハクマイ(WhiteRice)』の顔と、彼のトレードマークである両手の【問題文】マジックハンド型義手だった。 「なっ…ハクマイ！？これは一体どういう…」 「ハクマイ…？何を言っているんだ、君は。そもそも【問題文】僕たちは初対面だろう？それより離してくれ、僕はもっと盗まないと…あの人の為に…」 [編集済]

「あの人？誰かから命令されているのか？私だ、⑥早口言葉勝負の景品として【問題文】その義手を君に贈ったミソシルだよ！」
「命令なんて…でも僕はあの人の為に…あの人って誰だ？ミソシル…誰だ、思い出せない…」

明らかに様子がおかしい。ミソシルの脳裏に浮かんだのは④「洗脳」の二文字。
しかし一捜査官でしかないミソシルには、駆け付けた応援に連行されるカメオを見ている事しかできなかった。 [編集済]

世間を騒がせていた大怪盗カメオの逮捕。それは間違いなく喜ばしい事のはずだ。
ミソシルはいつも事件解決のご褒美に食べるヨーグルトを口に運ぶ。

⑬いいことをした後はヨーグルトがおいしい、そのはずなのに。
とっておきのデザートはどこか、寂しい味がした。

⑧「…これが最後だなんて、絶対に認めない…！」

(要素15個＋101「真犯人がいる」)【完】 [編集済]

タイトル『眠れる森のカメオ姫』

昔ある王国に、カメオ姫という女の子が生まれました。

王様はお祝いの席に12人の魔法使いを呼びました。
魔法使いはカメオ姫にお祝いの魔法をかけます。
「世界一の美しさを」「誰よりも優しい心を」「豊かな髪を」など初めのうちは一般的な内容でしたが、12人もいるので途中でネタ切れになりました。
「姫は異国に興味を持ち、海外交流が盛んな国を作るでしょう⑦」はまだいいが、「姫は早口言葉の実力は折り紙つきです⑮。誰も姫には勝てません⑥」や「姫は冬よりも夏の方が好きになります⑤。ほら、明るいから」
は、意味不明な洗脳といっていいでしょう。④
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大喜利大会と化したお祝いの席で、遂に残ったのはド新人だけになりました。
（うわぁ、トリとか重要じゃん。俺が最後とか嘘だろ…失敗したら首飛ぶんじゃ…）
俺が最後だなんて認めない⑧、等とブツブツ言いながら、3分程考え込みました。⑭
しかしその時、お祝いに呼ばれなかった悪い魔女が犬の乗りながらやってきました。⑪
「姫は15歳になるとパンアレルギーで死んでしまうわ！」そう呪いをかけると、犬に乗って帰っていきました。
（これはしめた！）新人魔法使いは、ドヤ顔で「姫は確かにパンアレルギーで倒れます。しかし、眠るだけです。姫は味噌汁を口にすると目を覚ますでしょう①」
という魔法をかけました。 [編集済]

～15年後～
カメオ姫は美しい女性に育ちました。
あれ以来、王様は国内のパン作りを禁止、
外国から輸入される高級パンは大人買いし⑩、姫が触れることのないようにしました。
しかし魔女は姫の見事な縦ロールとクロワッサンをすり替えて③、姫に触れさせてしまいました。
姫が倒れると、魔女は味噌汁を作らせないように国中の者を眠りにつかせました。
魔法使い達は姫を守ろうとなんとか余った布を縫い合わせ⑨バリケードを作りましたが、そこで力尽きて眠ってしまいました。
魔女は見えそうで見えない②そのバリケードに苦戦します。 [編集済]

そんな時、お腹を空かせた若者がやって来ました。もう弁当にはバランが残っているばかりです⑫。
ふと城からいい匂いがするので、若者はバリケードを越えてついでに魔女も倒して姫の下まで行きました。クロワッサンを食べつつ姫が美しかったのでキスしました。すると、姫は目を覚ましました。なんと若者は朝食に味噌汁を食べていたのです。
城の者達も目を覚まし、若者に感謝してヨーグルトを振る舞います。
いやぁ、いいことをした後はヨーグルトがおいしいです。⑬

さてカメオ姫は無事でしたが、心配症の王様は「今年1年は物に触る、人と握手する時はマジックハンドを使うように」と命令したのでした。【完】 [編集済]

タイトル『私をジャポンへ連れてって』

麗しき紺碧海岸に巣食う怪人ウミガッパは本当は伝統的な日本妖怪であるのだが異国への憧れ(7)を振り切ることが出来ずリヴィエラくんだりまで来てしまった。
もちろん相撲の実力は折り紙つき(15)で、海岸に来る観光客に勝負をふっかけてはシリコダマを抜き取り味噌汁の具(1)にして暮らしていた。
観光客は激減。
ウミガッパの生態に生活を脅かされた現地の住民達。特産の高級パンも価値が暴落し中国ファンドに大人買い(10)される始末。新しい服を買う余裕もなく余った布を縫い合わせた(9)ステテコを着用するに至る。 [編集済]

そんな折、海岸を無垢な少女が犬と共に走っている(11)。
いつものように相撲の勝負をしかけるウミガッパに、彼女は言う。
『女の子にそんな裸同然のかっこうでしょうぶせよというのですか』
『あ…大丈夫、まわしは見えそうで見えません(2)。』
『それでもいやです。早口言葉でしょうぶです』
『え！？』
『…ほかの案があるならあなたも言うのです』
『え!?えー俺、相撲しかしてこなかったから…えー…』
『3分待ちました(14)。早口言葉でしょうぶです』
いかんせんフランス語はカタコトだたので早口言葉では勝てない(6)ウミガッパ。

『ばすがすばくはつ！ばすがすばくはつ！がすばくばつはつ！ギャー!!』
突然の試合形式変更とはいえ、ちいさな少女相手に敗北を喫した怪人、がっくりとうなだれる。愛したリヴィエラ暮らしが今日で最後だなんて認めたくない(8)…。
『君の勝ちだよ。俺はここから去るよ』
『待ってほしい。わたしをあなたの国に連れて行ってほしい』
『え!?』
『…わたしも異国に憧れます』
---

その後、50年後の、日本。
弁当箱の隙間にバランを詰めこみながら(12)母が言う。
『以上が、あなたのお父さんと私の馴れ初めエピソードよ』 [編集済]

カメオ青年は、一度も会った事のない親父がどんな人物なのか、何の気なしに母に問うたのだった。
その答えが先ほどまでの話だ。
じゃあもしかして俺のアルシンド的頭髪(3)は…
『お父さんそっくりよ』
俺が冬が苦手で夏の水場にずっと浸かってるのも…(5)
『お父さんの遺伝ね』
手にごっつい水かきがあるから直接握手が気味悪がられるのも…
『マジックハンドって便利ね』
俺、半分妖怪だったんかい。
『気付かず30まで生きたでしょ』
洗脳ってこわい。(4)
『ほらほら、お弁当できたよ、仕事いってらっしゃい』
はいはい…
『人のため世のため、頑張るのよ。フランスのことわざを知ってるでしょう？』
もちろん。
『『いいことをした後はヨーグルトがおいしい』』(13)

【完】 [編集済]

タイトル『天才作家の苦悩』

天才折り紙作家のカメオは悩んでいた。

以前出版した『彼の才能〜亀屋カメオ折り紙作品集〜』は「難しすぎる」との批判は一部あったものの，その造形の美しさから国内外で高い評価を受けて，それなりのセールスもあった。自費出版であったため，その売り上げのほとんどはカメオに入り，彼の大好きな高級パンを大人買いする(10)ことだってできた。

が，次の折り紙作品集として出版する作品が思いつかない。
「これなら大丈夫か？」と思いついても，やっぱり難しすぎて前作と同じで叩かれるのではないか，あるいは美しさに欠けるのではないか，とボツにしてしまう。作品の完成が見えそうで見えない(2)というじれったさにカメオは悩んでいた。

とはいえ，天才作家としてのプライド，そして高級パンのためにも前回の作品が最後だとは認めたくない(8)。かねてから異国への憧れがあった(7)カメオは，しばらく気分転換をしようと作品のことを忘れヨーロッパ旅行に出かけることにした。ただし，高級パンの分をケチって，ちょっと安い北欧・東欧を彼は選んだ。

フィンランドでは犬ぞりをしたり(11)，ベラルーシで世界遺産でもあるミール城を訪れたり，と彼はその旅行を楽しんでいた。そして最後に訪れたルーマニアで彼は運命的な出会いをする。

カメオが道を歩いていると，大きな荷物を抱えた巻き髪のおばあさんが前から歩いてくる。思わず「家まで運びましょうか？」と流暢なルーマニア語で声をかけるカメオ。
「おぉ，若いのにすまな…。　君は…，もしやカメオ君かな？」
「はい。失礼ですが，どこかでお会いしましたでしょうか…？」
「あぁ，いや。コレは君の作品だろう？」
そういって取り出したのは，他ならぬ「彼の才能〜亀屋カメオ折り紙作品集〜」だった。
「こんな立ち話もなんだ。おうちにいらっしゃいな。」

「荷物運んでくれてありがとうね。それはお礼のヨーグルト。隣国のブルガリア産のものだよ。」
孫のためのお弁当を作っているのだろう。彩りのためのバランを弁当箱に入れながら(12)おばあさんは言う。
確かに本場のヨーグルトは，いいことをした後ということもあって美味しかった(13)。
「さて…，実は私の夫も折り紙が好きだったんだよ。」おばあさんは続ける。

「あの人は私と出会う前から折り紙が好きだったらしくて，小さいころは，余った布を縫い合わせたものを折り紙がわりにしていた(9)りもしたそうだ。君のように作品を発表したりということはなかったけれど，地元の小学生相手に折り紙のすばらしさを教えたりしていたよ。そしてあの人は君の作品に出会った。どの作品も凄い凄いと言っていたよ。その時の子どもの様なはしゃぎかた，見てる私は恥ずかしかったね(笑)。まぁ，今はベーゴマ厨に洗脳されて(4)，折り紙のことは忘れてるみたいだけどね…。」

「そうですか…。私の作品はキチンと人を楽しませていたんですね…。」

「あぁ，そうだ。だから君のこれからの作品にも私は期待しているよ。そうすれば，あの人もまた折り紙の世界に帰ってくるかもしれない。君の折り紙を作る手にはまさしく『神』が宿っているんだ。」



ルーマニア語だけど「神」と「紙」のシャレのつもりだったのかなぁ，だとしたら日本語知ってるって意味で凄いと思うけど伝わりづらいよなぁ，とか思いつつヨーロッパから帰国し「自らの手が人を動かしている」ことを知ったカメオは，この手を大事にしていこうと決心する。

そこで彼は，空気が乾燥する冬は手のケアをするのが面倒だから，と夏のほうが好きになり(5)，熱い器を持つと皮膚がただれるかもしれないから，と好きだった味噌汁を控えたり(1)，
…少々やりすぎな気もするが，その分作品に集中できるようになったという。

また，カメオは「あの日の出会いを忘れないように」と，自らの髪をルーマニアの国旗の色の赤・青・黄の3色で，またおばあさんと同じ巻き髪ヘアーにすることにした(3)。


そうして，苦節2年。ついに完成したカメオの最新作『彼の実力〜亀屋カメオ折り紙作品集２〜』。
当然，購入者が実際に折り紙を折って作品を作ることを想定しているので，この『実力』は折り紙つき(15)。
『彼の実力』発売を記念して，書店にて握手会が行われることも決定した。久々の作品集ともあって，さぞや大盛況だろう，と思っていたカメオだったが，握手会の列の待ち時間はわずか3分(14)。
「えっ…私のファン少なくない…？」と思った矢先，その列に見知った顔があることに気づく。そう，あのルーマニア巻き髪おばあさんだ。

「久しぶりだねカメオ君。ずいぶん風貌変わったねぇ。折り紙作家が三色の巻き髪にするなんて，まさに【赤巻髪・青巻髪・黄巻まみ】(3,6)…　あっ…。」

「ははは。日本語も覚えて来てくれたんですね，早口言葉で勝ったことはなさそう(6)ですけど。」

「あぁ，そうだね。で，君が新作を発売するからって，こうやって握手会来たんだけど…。何？そのマジックハンド。」

「いや，あなたが教えてくれたじゃないですか。私の手には『神』が宿ってるって。だから自分の手は自分で守らないとさ，と思って。握力のとんでもない人に手を潰されたりしたら困りますしね。私はあなたの旦那さんを必ず折り紙の世界に帰して見せます！そのためのマジックハンドです！」

「はぁ…。そう…。(なんでコイツ握手会なんて開いたんだろ…)」


天才作家の苦悩が解決した代わりに，天才作家に苦悩する人は増えたという。

【完】

<注釈>
マジックハンドを使う原因となった人物は，「ルーマニア巻き髪おばあさんの夫」と捉えたので，問題文には矛盾しません。

<参考文献(ネタ元)>
「天才作家の受難/上３さん」(http://sui-hei.net/mondai/show/34755) [編集済]

「復活の第一歩」

あるところにカメオという男がいた。カメオはある部分以外においては全く駄目だ。走っている犬を追いかけるとすぐ転ぶ、（11）、姉の服の余り布のツギハギを縫い合わせたダサい服ばかり着て髪型もボサボサ（3）（9）、「冬よりは夏のほうが好きだし」と言ってほとんど寝てばかりいる（5）、スーパーでお金を払う際に3分間待っても財布を見つけられない（14）、早口言葉では一音発しただけでも噛んですぐ負ける（6）・・・・・もう「ダメダメ男」のオンパレードと言ってもいい人物であった。

しかしそんなカメオでもある能力のおかげでいい意味で有名だった。それは料理だ。彼は小学生の時に母の味噌汁を飲んでそのおいしさに感動したことをきっかけに料理への道を進んだ（1）。カメオは料理に関しては本当に優秀で、ほかの科目が5段階評価で2か3ぐらいしか取れなくても家庭科では常に5を取り続けていた。また料理研究部でもバランが入っている弁当を大量に売り上げることに成功した（12）。この時弁当の具材の余りでヨーグルトを作り、そのヨーグルトは同じ料理研究部の部員にも「おいしい」と好評だったというエピソードまで持っているほどだ（13）。

カメオは高校卒業後ヨーロッパの異国の料理にあこがれを持っていたこともあり、フランスへと留学した（7）。そこでもとある新人フランス料理コンテストに参加し、見事に優勝（15）。帰国後に東京の一等地でフランス料理店を開いたところ、あっという間に人気店になり、「料理研究」と称して高級フランスパンを大人買いするほど裕福になった（10)。

そんなある日、ウミガメ国の総理大臣が日本にくることになり、ディナーの際のフランス料理担当としてカメオが日本政府から指名されることになった。
当日、カメオは張り切ってフランスから新鮮な食材を輸入し、衛生に細心の注意を払いつつも意気揚々とディナーに臨んだ。しかし、この行為がのちにカメオに悲劇を招くことになった。カルパッチョに使う魚の中に食中毒の原因となる菌が入っていたのだ。のちに食中毒の菌を入れたのはラテシン国のとあるカルト教団の仕業だったことがわかっている。彼らは「ラテシン国の総理大臣は悪魔」という考えに洗脳されており（4）、ある時カメオがラテシン国の総理大臣にディナーをふるまうために魚を輸入することを知ったカルト教団のメンバーがコッソリ食中毒の菌を魚に混入させたのだ。しかし、カメオはそんなことは知るよしもなく、またカメオがいくら衛生に気を配っていても食中毒の菌は見えそうで見えないため、食中毒の菌が魚についたままカルパッチョをふるまってしまったのだ（2）。

カメオがカルパッチョをウミガメ国の総理大臣にふるまってしばらくたった時だった。突然、ウミガメ国の総理大臣がお腹を押さえて苦しみだした。
「痛い・・・・・。苦しい・・。助けてくれ・・・・。」そういうと大臣は倒れてしまった。幸い大臣の命に別状はなかったが、カメオは「衛生管理がなっていない料理人」というレッテルを貼られてしまい、あっという間に店の人気は低下、閉店を余儀なくされてしまった。

しかし、カメオはこれで料理人として最後であることを認めようなどという気はさらさらなかった（8）。カメオは今、料理人として復活するためにあるフランス料理店に弟子入りしている。それは料理としての基本を学ぶため、そして衛生管理を徹底的に学ぶためだ。その一環として彼はマジックハンドを握手の際に使っている。食品に菌をつけずにおいしい料理を皆にふるまおうと思っている。カメオの復活はこれからだ。（完）
[編集済]