のり弁はお行儀よく食べましょう

昼休みの時間にて



後輩B「Aさん、向かいに座ってもいいですか？」

A「ああBか。いいぞ。」

B「では失礼します……ってあれ？いつものおかずたっぷり愛妻弁当じゃないんですか？」

A「ああ、ちょっと昨日妻と喧嘩をしてしまってね。こののり弁は妻からの嫌がらせだよ。」

B「へぇ～、あんなに仲良しなのに喧嘩することもあるんですね～。」

A「馬鹿、茶化すんじゃない。」



そう言ってAさんはタッパーを手に持ちのり弁を食べ始めた。

（和食ではご飯の入ったお重や丼は左手で持って食べるのがマナーとされています）



当然Aさんの向かいに座ったBさんには持ち上げられたタッパーの底が見えるわけで……



B「ん？何か……ふふっ、Aさん、タッパーの底見てみてくださいよ。」

A「底？どれどれ……『ン メ ゴ』？」

B「いやいや『ゴ メ ン』ですよ。海苔文字でごめんだなんてやっぱり仲良しなんですね。」

A「だから茶化すんじゃない。しかしそうか……」



思わず笑みがこぼれるAさん。

帰ったら自分からも謝ろうとそう考えるのであった。