紅く滲むカシスオレンジ

あ

る日、一組の男女がご来店なさいました。



男「マスター、お久しぶりです。」



マスター「お久しぶりですね、槍崎様。半年くらいでしょうか？」



槍崎「ええ、色々忙しくて…」



女「先輩、ここの常連さんなんですか？」



槍崎「うーん、常連とは言わないかな。２～３ヶ月に１回来るかどうかだよ。あ、マスターこの子は僕の後輩で木場神子（コバ　ミコ）さん。」



木場「あ、よろしくお願いします！でも、そんなに来てなくても覚えてるって、すごいマスターさんですね！」



マスター「恐縮です。さあ、こちらにおかけください。」



槍崎「あ、ハイ。そうだ、注文は僕に任せてもらえる？」



木場「はい、お願いします。ご存知かと思いますが、成人したばかりでお酒詳しくないんで…」



槍崎「うん、大丈夫。マスター、カシスオレンジを二つお願いします。」



マスター「かしこまりました。」



木場「あ、それなら飲めます！」



槍崎「そういえば木場さん、こないだ神話とか好きだって言ってたよね？」



木場「そうですね、詳しくはないですけど、ゲームとかよくやるので好きですよ。」



槍崎「…じゃ、じゃあ、このカシスオレンジはロンギヌスの槍…だって言ったらどうする？」



木場「えっ？」



槍崎「神の子であるキリストを貫いた槍だろ？だ、だから、このカシスオレンジで、神子さんのハート落したいなー…、なんちゃって…」



木場「…もう、カシスオレンジみたいに耳まで真っ赤にしちゃって。」



ゴクゴクゴクゴク…トン。



木場様は一気に飲み干されました。



木場「ストレートに言ってもらえますか？」



満面の笑みで問われた神津様に、ますます顔が赤らむ槍崎様。



槍崎「つ、付き合ってください！」



木場「はい、よろしくお願いします！」



お二人からそっと離れ、カウンターの奥に移動した私は、祝福をしながらも…おっと、ここから先は別の問題にいたしましょうかね。



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おまけレシピ



＜カシスオレンジ＞



タンブラーに氷を満たし、カシス３０～４５ｍｌとオレンジジュース適量を混ぜるだけ。



おしゃれに、混ぜ合わせずに２層にフロートしてマドラーやストローを添えてお出ししたり、カットオレンジをふちに飾ったりしてもいいですね。





＊ＦＡ条件

彼女の名前が「神子」であることから、カシスオレンジを神の子キリストを殺したロンギヌスの槍に喩えて告白をした。