天罰は突然に　人誅は必然に

新興宗教の教祖の私には敵なんていなかった。

言う事をなんでも聞く地元の信者。寄付の名目で集まった大量のお金。

私を脅かすものなんてなかった。私がこの街の女王なのだ。



そう、あの男が現れるまでは。

高級そうなスーツの男だった。仕事場のテントに入るや否や、予言を聞くそぶりも見せずニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、名刺をつきだしてきたのだ。名刺を見た私は動きを止める。



私の宗教をことあるごとに張り合って来たとなり街のライバル宗教の教祖。

それが目の前の男の正体だった。



「あなたと私。どちらが神に愛されているのか、公衆に判断してもらいませんか？」

もちろん最初は断った。しかし男はニヤニヤ笑いを更に大きくし続けた。

「本当は神の加護を受けていないから勝負ができないのですか？」

相手はずっと張り合ったライバル。ここで引いたら、信者も私から離れていくだろう。



やっと手に入れたこの生活。手放す訳にはいかないのだ。



騙されたと気がついたのは勝負の決着がついた後だ。

男はあらかじめ、私の予言が外れるように仕込んでいたのだ。

「あなたのの嘘は暴かれたのです！」そう勝ち誇る男に、

「お前には天罰が下るだろう…必ずや…」そう返す事しかできなかった。おのれ、このままではすますものか。

私はこの男を天罰に見える方法で殺さなければならない。信者を取り返し、ペテン師の汚名を雪ぐために。

幸い、頭はよく回るほうだと子供の頃よく人に言われた。そうでなければ人を騙す教祖などやっていられない。私は信者達に命じた。



相手の教祖が礼拝とやらで毎日通る道。

教祖が通るタイミングで上から植木鉢を落としなさい。

崖を注意する看板を外しておきなさい。

道の上の看板の留め金をゆるくしておきなさい。

そのほかたくさんの「死ぬかもしれない」リスクを男の周りに振りまいた。



不幸な偶然も、重なれば必然。時間はかかるかもしれないが、ライバル教祖は「天罰」があたる事になるだろう。



要素　男と女の職業

　　　勝負の内容

　　　男の殺害方法

これが出そろった時、正解とします。