ウミガメのスープ

田舎のバスは3時間に一度。

作者: 彩蓮燈

兎美は少しずつ日常が不自由になるのを感じていた。
ある朝、兎美は目覚めるとその変化に驚愕した。
慌てて行きつけの亀夫の店まで飛んでいくと、彼は兎美に一杯のワインを差し出した。
それを飲み干すと、二人は言った。

「不便になってよかった!」
「ああ、まったく最高だ!」

なぜ?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

非現実要素はありますか?

Yes。存在します。

いいえ

「不便」交通機関に対してですか?

No。交通機関の不便は、今のところ感じていません。

亀夫と兎美は両方とも人間ですか?

YesNo。どちらとも言えます。

いいえ

他に登場人物は居ますか?

No。二人だけです。

いいえ

森などの自然が都市的に開発されますか?

No。都市開発は行われません。

いいえ

「目覚める」冬眠から覚めますか?

No。普通に朝に目覚めます。

はい

兎美が驚愕した変化とは身体的なものですか?

Yes。彼女は自分の体の変化に驚きました。

はい

兎美の周りで変化が生じますか?

Yes。彼女の周りにも変化は起きています。

はい

7 彼にも同じ変化が起きますか?

Yes。発生します。

いいえ

便秘は関係ありますか?

No。ありません。

いいえ

バグってますか?

No。バグは発生していません。

はい

ワインは、亀夫の店の売り物ですか?

Yes。彼の店のものです。

いいえ

一気に大人になって、色んなしがらみで不便になったけどお酒飲めるからよかった!ますか?

No。便秘じゃないです。

はい

変化の生じている兎美はアバター(仮想世界の中の分身)のようなものですか?

Yes。兎美はアバターです。

いいえ

幽体離脱は関係ありますか?

No。関係ありません。

最終的に、兎美は人ですか?

YesNo。どちらとも言えます。

ネットゲームなどのアップデートはありましたか?

YesNo。ネットゲームではありませんがありました。

はい

亀夫もアバターですか?

Yes。その通りです。

いいえ

14より、他の参加者が減って、兎美の動作が快適になりましたか?

No。他の参加者はむしろ増えているでしょう。

「ワイン」重要ですか?

YesNo。不便を喜ぶ理由としては重要です。

(市場のLOG HORIZON)

TRPGで検索したら出てきましたけど、どんな作品なのですか?

はい

仮想世界で生きていくのが普通な世の中ですか?

Yes。普通というほどではありませんが、一般的に認知はされています。

いいえ

ラグってますか?

No。サーバに不備は発生していません。

はい

不便を経験すると普段の生活が幸せなものだと分かりますか?

Yes。経験すると、普段の有り難さを実感することでしょう。

はい

問題文で書かれていることは全て仮想現実の中での出来事ですか?

Yes。全て仮想現実での出来事です。

はい

その変化=日常生活が不便になることですか?

Yes。彼女の身に起こった変化は、かなり日常を不便にするでしょう。

いいえ

7より その変化は外見で分かりますか?

No。外見ではわかりにくいでしょう。

いいえ

仮想世界の外にいる存在は関係しますか?

No。問題ではあまり関係しません。

はい

二人は最終的に不便なままですか?

Yes。これからどんどん不便になるでしょう。

はい

核心仮想世界では食事に時間を割く必要がなかったが、今回のアップデートで味覚や空腹感などのシステムが実装されましたか?

Yes! では兎美の体に起きた変化とは?

はい

仮想空間では感覚はありましたか?

Yes。存在しませんでした。

いいえ

雑談チャットでの彩蓮燈さんのキャラはヒントですか?

No。ノリで動いているだけです。w

いいえ

兎美は太ってしまいましたか?

No。彼女は太りません。

はい

核心30,31より 感覚がないからこそできた無茶なことが日に日にできなくなっていったものの、眠気や味覚、満腹感などの感覚があることによって得られる幸せがあることに気づきましたか?

Yes!眠気も込みで完全正解です!どれどれ正解したのはー…ってセルスさんだうわーん!

はい

仮想空間の便利より現実の感覚を求めましたね?

Yes。そういう話なのです。

はい

まるで未来人のようなアバターが、徐々に現代にいる普通の人間のように退化していきますか?

Yes。未来人って何でも出来そうですよね。

はい

喉が渇いたので飲み物を飲みますか?

Yes。私も涙で水分足りなくなったのでください。

いいえ

最終的に兎美ちゃんの血はワインになりますね?

No。ww 兎美ちゃんは聖人か!

いいえ

仮想現実の名前はきらきーワールドですね?

No!きらきーワールドなら真っ先に苦痛が投入されますw

答え

西暦21××年。
急速に発展した電脳技術の影響により、バーチャルリアリティが日常となった世界。
私こと兎美は、ベッドの中で目を覚ました。

「…あと5分」

まだ少し眠気の残る頭でまどろみに浸り、再度布団をかぶろうとする。
…そこで気がついた。

・・・・・
眠気がある?

あまりの驚きに跳び起き、再度確認する。
驚きで少し目は覚めてしまったが、それでも頭はまだ軽くぼーっとして、睡眠を体に訴えている。

「嘘…すごい!眠気が再現されてる!」

昨日までは感じることのなかった感覚。
人間の三大欲求のひとつ。それが体の中にある実感。
私は急いで着替えると、飛びだすように家の扉を開いた。

「亀夫!」
「よお、兎美。やっぱり来たか」

玄関の扉を開いた先は、シックな雰囲気のバー。亀夫の経営している店だった。
彼はカウンターの中でグラスを磨きながら、慌てた様子の私に苦笑を浮かべている。

「亀夫、すごいよっ…!私、眠くなってる!」
「ああ、俺も驚いたよ。今回は随分と大幅にバージョンアップしたんだな…すごい処理能力だ」
「アバター全部を常時個別にスキャンしなきゃいけないもんね…外では何か新しい技術でも出来たのかな」
「かもな…まあ、なんにしろありがたいことだ」
「違いないね」

私たちの住むこの街は、現実ではない。
【サイバーヘヴン】と呼ばれるここは、文字通りに1と0で構成された仮想世界。
ここの住人は全員、自分の脳情報を電子化して創り出されたアバターで、建物も自然も全て「そういう情報」にすぎない。
けれど、この世界は従来のバーチャルリアリティと決定的に異なる点がある。
それは私たちにとって、ここが【現実】ということだ。

年老いて死を待つだけの人。
事故で助からない傷を負った人。
まともな肉体で生まれることの出来なかった人。
そんな人たちが肉体を捨てて、新しい命を求める場所。
電脳の楽園――サイバーヘヴン。

かくいう私も事故で肉体をなくして、ここにやってきた。
最初は戸惑ったけど、住めば都というとおり、ここも慣れれば良い世界だ。
老いることもなければ、病気になることもない。
…いや、老いることも、病気になることも『できない』。
どれだけ現実そっくりに形を作っても、ここは情報世界。
日々増え続けるアバターの全てを把握し、それに合わせて全ての現象を発生させるなんて無理な話だ。
たとえば、風をひとつ吹かせるにしても、個人でその感じ方は違う。
風のエフェクトひとつ発生させる度に、全アバターに「風を感じた」とパターンの異なる触覚情報を与えようと思ったら、それこそ膨大な演算能力が要求されるだろう。
だから基本的に、この楽園ではいろいろな「過程」が無視されてしまう。

食事をしようと思ったら、次の瞬間には食べた結果だけが残り。
どこかへ行こうと思ったら、扉を開いた途端にそこに到着し。
眠ろうと思ったら、一瞬で意識は翌日に。

一昔前のRPGみたいと思ってもらえばいいだろうか。
もちろんこれはすごく便利なことなんだけど、ここに「現実」を求める私たちからすると、不満もあるのだ。
だけどそう言った便利すぎる不都合も、サーバーの処理能力のアップに伴って少しずつ「不便」になってくる。

たとえば半年前くらいに、物が汚れるようになった。
それ以来、こうやってグラスを磨くのが亀夫の日課になった。
1月前に物が壊れるようになった時も驚いた。
これはなかなかの衝撃で、思わず亀夫の店のグラスを片っ端から叩き割って、後から思いっきり怒られた。

そして今回は眠気の導入。
これはかなり革新的だ。人生の楽しみをひとつ手に入れたといっても良いかもしれない。
あまりのことに興奮気味な私に、亀夫は意味ありげに笑みを浮かべて言った。

「驚くのはまだ早いと思うぞ、兎美」
「どういうこと?」
「これ、見てみろ」

そういって亀夫が差し出したのは、グラスに注がれたワイン。
でもこれがどうしたって…あれ?

「…ねえ、このワイン、匂いが…」
「そうだ。匂いがある…そして味もある」
「嘘っ!飲めるの!?」
「ほらな、驚いた。まあ、ようやくバーの本領を果たせるってところだ」
「うわ、うわー!もう…いゃっほう!」

思わず変なテンションで声が出た。
いや、でも仕方ないと思う。これは仕方ないと思う。
だって食だ。人間のもっとも根源的な娯楽と言ってもいい食なのだ。
私の心はこの新しい刺激にエンジン全開のフルスロットルで、キャラが崩壊してしまいかねない興奮っぷりだった。
差し出されたグラスを掲げ、ワインの豊潤な香りを堪能する。
ふと見ると、亀夫も同じようにグラスを掲げていた。彼も実はなかなか興奮しているらしい。

「ねえ、亀夫。乾杯しようよ」
「乾杯って、何に?」
「この不便な世界に!」
「ははっ、そりゃあいい」

グラスを打ち合わせる音が店内に響く。
そして二人は勢いよくワインを飲み干し。

「~~~っ!不便になってよかった!」
「ああ、まったく最高だ!」

生きている実感に、思わず頬を緩めるのだった。

— 12作目です。田舎での暮らしって少し憧れます。

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