ウミガメのスープ

夏の日のサブリミナル

作者: クレーマー

皆さんは、「サブリミナル効果」というものをご存知だろうか?

有名な話では、動画の中に、非常に短い時間だけ別の画像を混ぜ込むことにより、
気づかれる事無く混ぜ込んだ画像のイメージを潜在意識下に植えつける事が出来ると言われている。

つまり、映画の中に「水を飲め」というメッセージを含んだ画像をほんの一瞬、繰り返し挿入することで、
視聴者は何となく水が飲みたくなってしまう、というような効果である。
しかし、科学的な効果の実証はされておらず、非現実的なエセ科学として否定する声も大きい。
(※問題の都合上、非現実要素を含みます。ご了承下さい。)

さて、ここウミガメ研究所では、この「サブリミナル」を扱った実験が行われていた。
今回の被験体は 亀山 亀雄くん(15)。
頭は良く物静かで友達も多いが、学校には通っていない。
脳や身体に特に障害は抱えておらず、心身ともに健康。被験体としては申し分のない子だ。

実験内容は、「博士が作成した特殊な映像の中に、『学校に行け』というメッセージをサブリミナルとして写す。」
というものを2時間繰り返すというものだ。

・・・
実験終了後、博士が亀雄くんに尋ねる。
「気分はどうかね?」
亀雄くんは答える。
「なんだか水が飲みたくなったよ!」

その後、研究所は大騒ぎになり、結果的に博士はノーベル賞を受賞することになった。

一体何故?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

上記のサブリミナル効果の説明部分は、既知であれば謎解明には必要ありませんか?

YES

いいえ

亀雄くんが水を飲みたいのは喉が渇いたからですか?

NO!

いいえ

亀雄くんは学校に行かずに働いていますか?

NO!

亀雄くんは目や耳に障害はありますか?

問題文に偽りなし!NO!

いいえ

文中にある亀雄くんの 友達 とは学校の友達ですか?

NO!

亀雄くんは人間ですか?

Oh、NO・・・なぜそんなにするどいんだい

はい

実験内容の「博士が作成した特殊な映像」は特定が必要ですか?

YES!6がキモの問題だったので、ほぼ終了のようなもんですが。

はい

6

YES!

はい

「なんだか水が飲みたくなったよ!」という亀雄くんの発言は、音声で表現されましたか?

YES!

核心映像を見せるだけでサルが喋れるようになるまで進化する装置を作りましたか?

ほぼYES!簡単でしたね!

はい

そして 猿の惑星 /創世記〈ジェネシス〉にストーリーが続きますか?

YES!爆弾を信仰するようになります!

亀が喋った!!!

亀が喋ろうがかめへんかめへん!

答え

何度実験しても上手くいかない。やはり「サブリミナル」というのはエセ科学なのだろうか?

前回の被験体は 水谷 海彦くん(17)。彼は鬱になり、登校拒否をしていた。
なんとか彼を救ってやりたくて、特殊な映像を作り、「サブリミナル」によって学校への登校を促した。
・・・結果は失敗。サブリミナル効果はうまく発揮しなかったのだ。

煮詰まってしまった私は、実家に帰り、我が亀山家で長年飼っている愛犬を散歩させていた。

愛犬の名は亀雄。亀山 亀雄。齢既に15歳の老犬である。
頭は良く、滅多に吠えないおとなしい子である。
それ故、散歩に連れ出せばたちまち近所の子供達に取り囲まれる人気者であった。

そんな亀雄のもふもふの頭を撫でている時、ふと私の中に好奇心が芽生える。

・・・動物の目には、サブリミナルはどう映るのだろうか?

どうせ効果が無いことはわかっている。ダメ元でデータだけとってみるのも面白いかもしれないな。
私は海彦くんに使った映像を、亀雄に見せてみることにした。

・・・
実験終了後。
私は亀雄に話しかける。
「気分はどうかね?」
・・・これで、散歩コース途中の小学校まで走っていったら面白いのにな・・・。

そんな淡い空想を抱きながら亀雄を撫でる。

「なんだか水が飲みたくなったよ!」

・・・幻聴だろうか?まるで亀雄が喋ったかのように聞こえたが・・・?

「ねえ、はかせ、のどかわいたー!」

・・・幻聴じゃない!!?

犬が突然流暢に喋り出したものだから、研究所は大騒ぎになった。

なんと、博士が作成した特殊な映像は、
「脳に刺激を与え活性化し、動物が喋れるようになる」
という、なんとも『非』現実的な効果を持っていたのである。

この映像を発明した博士は、たちまち脳科学者として絶大な評価を受けることになり、数年後にはノーベル賞を取ったのだった。


・・・
「ありがとう、亀雄。あのとき、サブリミナルの実験は失敗したけれど、お前を研究所に連れてきてよかったよ。」
数年後、ノーベル賞をとった私は、亀雄の墓に大好きなおやつを供え、その前で手を合わせた。

・・・ノーベル賞を取ったことより、お前の最後の言葉が聞けてよかったよ。

そう言い残し、墓から立ち去ろうとする。


「はかせ、おめでとう!」

・・・また、亀雄がどこかで喋ったような気がした。今度もきっと幻聴では無いのだろう。

なんたって今日はお盆なのだから。

— 解説が本編 ★★☆

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