ウミガメのスープ

結果と代償

作者: カゲリ

迷っている時間はなかった。

彼を再び助けるため、彼女は自分の片腕を切り落とした。

彼は結果として助かったが、しかし片腕を無くした彼女は、大粒の涙を流しながら彼に謝り続けた。



状況の補完をお願い致します。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

彼女が前に彼を助けた事は重要ですか?

Yes ある程度は重要だと思います。

いいえ

切り落とした腕は、彼に付けられましたか?

No 彼は五体満足です。

はい

彼は危険な目にあいましたか?

Yes! 危険な目に遭いました。

彼と彼女は人ですか?

YesNo! !

いいえ

彼は彼女を助けましたか?

No 仮にあったとしても関係はありません。

いいえ

彼と彼女の他に重要な人物はいますか?

No 彼と彼女だけで十分です。

いいえ

彼女の腕をある手順で取り外すとGPS機能により居場所がわかるようになるので助けが来ましたか?

Nowww 何その彼女、かっこいい…!

いいえ

彼女はロボですか?

Nowww かっこいいを通り越して怖くなってませんかそれw 彼女はロボではありません。

はい

彼女の行いは結果的に彼を苦しめましたか?

Yes…? 苦しめることになる、ですかね。

いいえ

彼女の腕が彼を苦しめてますか?

No 物理的な意味(首を絞めている など)であるならNoですね。因みに腕である必要性はあまりありません。

いいえ

私は植物ですか?

No 植物ではありません。

いいえ

1度目の腕を切り落とした時も大粒の涙を流しながら彼に謝り続けました?

No 一度目は腕を切り落としていません。謝罪もしていませんね。

はい

彼を助けるのに切り落とした腕は使いましたか?

Yes 彼を助けるため、彼女は切り落とした自分の腕を使いました。(ミスリード注意?)

彼女は、人の形をした生命体ですか?

YesNo 半分Yes、半分Noですね。

はい

核心二人は遭難していますか?

Yes!!! 正解です…!

答え

 【涙に沈む人魚】

とある海沿いの小さな村に、一組の夫婦が住んでいた。
一見するとそれはごく普通の夫婦なのだが、しかし妻には夫にも話していない秘密があった。

妻は人間の姿をした人魚だったのだ。

過去に彼女は海で溺れている彼を助けた事があった。その際に彼女は彼に一目惚れしてしまい、魔女に頼み尾鰭を人間の足に変えて貰った。
その代償として彼女は声を失ってしまったが、何と彼はぼんやりとだったが彼女の事を覚えていたようだった。意識が朦朧としていたせいか、彼は彼女が人魚だと気付いてはいなかった。
そして程なくして二人は恋仲となり、やがて結婚をして夫婦となった。

幸せな夫婦生活は、しかし長くは続かなかった。
夫の仕事は漁師だった。船で沖に出て網で魚を捕まえるのが仕事だった。沖には鮫が出没する事があるが、滅多に姿を目にする事もなく、また出会しても船にいれば安全だった。
しかしその日、夫は網を引き上げる際に運悪く足を滑らせ海に転落してしまった。更に運の悪いことに滅多に現れない筈の鮫と遭遇し、夫が船に戻る前そのまま夫に襲い掛かってきた。夫は仲間の漁師によって助けられたものの、その夥しい血の量は夫の命が危ういことを物語っていた。

包帯に身を包み息も絶え絶えに横たわる夫を目の前に、妻は決意した。決意せざるを得なかった。
鮫に襲われた夫の状態は、村に住む唯一の医者では最早手の施しようがなかった。街に赴けば腕の良い医者がいるのだろうが、一番近い街でも最低三日は掛かってしまう。夫はもう一日も持たないだろう。

しかしまだ夫を救う手立てはあった。
人魚である自分の肉を食わせ、不老不死にすれば夫の命は助かるのだ。

 愛する夫を見殺しにするか、不老不死の化け物にしてしまうか。選択肢はどちらも非情であったが、迷っている暇はなかった。夫の命はあと一日も持たない。
妻は躊躇いながらも家を出た。そしてコッソリと彼の船に乗り込むと錨(いかり)を繋いである紐を自身の腕に巻き付け、そのまま錨を海へと落とした。同時に錨の紐は彼女の腕を食い千切った。

一晩掛けて口移しで肉を与え続けた成果か、朝には夫の怪我は大方回復しており、昼過ぎには意識を取り戻すまでになっていた。
目覚めた夫は、しかし妻の様子に戸惑っていた。
何故妻は片腕を無くし、青白い顔で大粒の涙を流しながら自分に向かって頭を下げ続けているのか、夫には分からなかった。
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