【6月のコラボ祭】新婚さん、いらっしゃ~い③
丁寧に挨拶回りをしていたそのカップルと立ち話したところ、最近入籍をしたのだが式を挙げていないとの事だった。
この先も式を挙げるつもりはないそうだ。
そんなカップルだったが、後に、式の主役として壇上に上がり、その夫婦の奥さんは式のさなかに涙を流しほほえむこととなった。
初めの話と矛盾したこの新婚カップルに何があったのだろうか?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
その式は表彰式ですか?
ノーですね。かすってますが、表彰式では成立しない理由があります。
奥さんは嬉しかったために涙を流したのですか?
これはイエスです
涙は嬉し涙ですか?
イエスです
「式の主役として~」式とは、あえてストレートに結婚式の事ですか?
ノー、本日は結婚式のご予約はいただいておりません
式のさなかに不倫してますか?
お願い、不倫から離れてwノー
カップルはどちらも舞台俳優でしたか?
ノー、舞台ではありません
式の主役は奥さんでしたか?
イエスノー、二人とも主役です
職業は関係しますか?
イエス!
先ほどの先生つながりで、離任式や退社式などですか?
もうね、すごいです。これはでないと思ってたよw
式は式でも、大会の開会式でしたか?
ノーです
奥さんはもうおばあちゃんですか?
イエス!
1より、卒業式なら成立しますか?
ノー、卒業式だとちょとはやい
壇上に上がったのは、新婚カップルの2人ともですか?
イエス!
新婚カップルはまたしても爺さん婆さんですか?
その通り!
葬式の喪主をしていたら、しんだはずの爺さんが蘇生してうれし泣きですか?
ノーw怖くてなくと思うw離任式です
二人とも先生でしたか?
イエスで!
核心離任式に教え子からサプライズプレゼントをもらってうれし泣きする場面ですか?
おみごと!
保健体育は重要ですか?
ノー!
核心離任式が結婚式風でしたか?
正解で!
新婚カップルは2人とも定年で退職しましたか?
オマケおみごと!
答え
「ごめんください」
「はーい!あれ?おばあちゃん?それに用務員の亀山さん?」
「こんにちわ、海子ちゃん。実は隣のアパートに越してきたの。これからよろしくね」
「はーい!…でもなんで二人で来たの?」
「それなんだけどね。実は僕と理事長先生…おばあちゃんと、最近結婚したんだ。」
「えっ?!ホントに?!知らなかった!おめでとうございます!」
「ありがとう、海子ちゃん」
「結婚式は?ウェディングドレス着ないの?海子も見たいな!」
「うふふ。ごめんなさいね。結婚式は挙げないことにしたの。」
「どうしてー?!」
「もう私は70歳のおばあちゃんでしょ?恥ずかしいから…。亀山さんも同い年だし」
「僕は見てみたいんだけどね。幸子さんが嫌がるから(´・ω・`)シュン」
「あなた、いい歳をして子供の前で何言ってるんですか」
「それにね。ここだけの話、もうすぐ僕と幸子さんは学園を引退するんだよ。」
「引退?やめちゃうの?!?!(゜ロ゜;ノ)ノおばあちゃんの学校だよ!?」
「老い先短い二人の時間、静かに過ごしたいから。あ、海子ちゃんが遊びに来るのは大歓迎よ。」
「そう言えばなつ…、お母さんは?」
「お仕事ー。夜にはいるよ!」
「またご挨拶に来るわね。」
「じゃあ、また来るから。」
私の[血]がさわいだ。
来る修了式。
ついに計画は実行された。
修了式の後には離任式が行われる。
壇上に上がる二人の主役。
筒がなく挨拶が終わり、本来なら二人は降壇する、はずだった。
校長「お二人はそのまま残ってください。本日最後のセレモニーを行いますので。」
私はコッソリと壇の脇に移動していた。
分厚い紙の束を携えて。
校長「それでは、これからお二人のご結婚を祝して、祝辞の贈呈式を行います!今回、ある生徒さんが主導してくれて、生徒さんは勿論、教諭陣にも手紙を書くことになりました。この素敵なアイデアを発案してくれた大崎海子さんに、代表してお手紙を読んでもらいます。」
「はい!」
ゆっくり壇上に上がる私。
「う、海子ちゃん…」
マイクの前に立ち、話始める。
「おいわい 五年三組 大崎海子
最初に、理事長先生と亀山さんに謝ります。
静かに過ごしたいから、結婚式はしないと言っていましたが、どうしても私はみんなと御祝いしたくて、先生に協力してもらいました。
勝手に広めてしまい、ごめんなさい。
だって、私はずっと前から、二人が仲良しなのを知っていたから。
例えば、私が入学した日の帰り、校庭の桜を見ていた理事長先生に、寒いからって亀山さんが自分の上着をかけてあげていたこと。
例えば、私が三年生の夏、草刈りをする亀山さんに理事長先生が冷たいジュースをさりげなく渡して、仕事をしばらく見ていたこと。
例えば、去年の秋、理事長先生が無くしたイヤリングを二人で学校中探していたこと。
ずっと感じてました。
二人は好きあってるのかなと。
そして前日、私の家に引っ越しの挨拶に来たときに、亀山さんが言った、理事長先生のウェディングドレスを見たいって言ったこと。
これで確信しました。
愛し合ってるんだと。
だからこそ、御祝いしたかったのです。
ところで私の母はウェディングプランナーです。
口癖は『予想を裏切る喜びはサプライズ』。
あの日、私にもその気持ちがわかりました。
血がさわいで、サプライズしたくなりました。
最後に、理事長の孫として、個人的に一言。
幸子おばあちゃん、カメオおじいちゃん、これからも、末長く二人で幸せに過ごしてください。
お仕事お疲れ様でした!
以上です。
これは、みんなが書いたお手紙です。
ゆっくりよんでみてください!」
上を向いて、唇を噛み締めるカメオおじいちゃん。
幸子おばあちゃんは神々しいまでの笑顔で、でも止めどない涙を拭うことなく流し、受け取った手紙の束を抱き締めて呟いた。
「ありがとう、海子ちゃん。」
— ご参加ありがとうございました!
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