ウミガメのスープ

リストラ

作者: かっぱ

 男はつなぎ合わせていた。そこに妻の声が掛かる。
「あなた、明日給料日よね? どこか行かない?」
 微笑む妻。男は顔を引きつらせ、言った。
「これ、終わったら」
「その気味悪い趣味どうにかならないの」
 男は妻に背を向け、首を振った。
「そう」
 そう言って妻は部屋を出た。
 言えやしない。リストラに遭ったなんて。離婚されるに決まっている。
 男は不安だった。
 そこで男に何かが降ってわいた。よし、そうしよう。そうしよう。これなら妻にリストラはバレない。
 翌日、男はアイデアを実行した。

 そして男は、妻子に永遠に会うことは叶わなくなった。
 リストラは、たくさんの人が知ることとなった。


『男の計画』を明らかにしてください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

?

妻子にはリストラばれましたか?

ばれます。

?

男は、リスとトラに遭いましたか?

ハブとマングース的な場面遭遇! NO!

?

そして、こっそり隠したけど、リス&トラが表に出てきちゃって、妻にバレた挙句、たくさんの人に知られちゃいましたか?

動物園じゃないですよ?

はい

男は生きてますか?

YES

いいえ

妻はリスとトラを掻っ捌いていますか?

NOw 解雇されました。

はい

男は警察に捕まるようなことをしましたか?

YES!

はい

妻子は生きていますか?

YES

はい

男の趣味は重要ですか?

YES!!

?

「降ってわいた」というのは比喩表現ですか?

「アイデアが」降ってわきました。

いいえ

男の趣味とは一般的と言えるものですか?

NO

いいえ

リストラした会社に火をつけましたか?

NO

?

核心趣味の爆弾しかけましたか?

え、おうふ。しゅーりょー!

★

答え

「今日付けで辞めてくれ。明日から来なくて良い」
 男にとって、禿頭の上司の言葉はまさに青天の霹靂であった。
「いや、そんな……」
「これは決定事項だ。君みたいな無能の上に妙な男を我が社は雇えない」
 男はうなだれるしかなかった。
 男はこの全曰本トンネルで真面目に働いてきた。少しばかり、倉庫からダイナマイトを拝借したことはあったが……。それもささいなことだ。
 なのに、これだ。妻には言えない。言えるはずもない。

 家に帰り着いた男は、妻との会話もそこそこに部屋にこもった。趣味の爆弾の時限装置の作成だ。無論爆薬は所持しているものの、取り付けてはいない。回路は出来るだけ複雑に。警察の爆弾処理班になんて解除できないものを。
 コンコン、と部屋の戸を叩く音がした。妻だ。
 男は一番重要なコードをつなぎ合わせていた。そこに妻の声が掛かる。
「あなた、明日給料日よね? どこか行かない?」
 微笑む妻。男は顔を引きつらせ、言った。
「これ、終わったら」
「その気味悪い趣味どうにかならないの」
 男は妻に背を向け、首を振った。
「そう」
 そう言って妻は部屋を出た。
 男は不安だった。
 アイデアが一つ、降ってわいた。
 会社がなくなればいいんだ。

 男は翌日、会社のビルの基礎部分にダイナマイトを仕掛けた。
 会社の前の公衆電話から電話をかけた。
『全曰本トンネルに爆弾を仕掛けた。地下駐車場に一つある。後六つあるが場所は勝手に調べろ。爆弾は一時間後に爆発するようにセットした』
 男は一時間、そこらをふらついてから、爆発を見物することにした。
 市内の一等地のビルが爆発するんだ。愉快なことこの上ない。

 男は特等席の警察の非常線の真ん前にいた。社員は大方避難しているらしい。男は舌を打った。電話なんてするんじゃなかった。
 まあ、もう、時間だ。さらばだ。
 五、四、三、二、一、零!


 爆発しないだと? 何故だ、何故!
 頭を抱えた男に二人の男が近づく。
「平平平平さんですね?」
「だったら、なんだ」
「署までご同行願います」
 唖然とする男に警官は言った。
「カメラ、映ってましたよ?」


『平平平平容疑者は『妻にリストラされたのを知られたくなかった』などと供述しており、警察は爆発物の入手経路など――』
 こうしてマスコミに『リストラ爆破未遂事件』と呼ばれた事件は幕を下ろした。

— 解説少し力入れました―

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