ウミガメのスープ

異能狩り

作者: ロデリック

そのテレビ番組は、ある男のおかげで大ヒットしていた。
どんな怪奇現象だろうが超常現象だろうが必ずそのトリックを暴けるのだと称されているその男は、その番組で数々の超能力者や霊能力者、魔術師と名乗る連中のインチキを白日の下に晒してきたのである。
しかし、ある日、番組のプロデューサーが、男に「この番組はもうおしまいだ」と告げた。
男は「どうしてですか」と問い返す。
「君があまりにすごすぎてね、どこに問い合せても、『わざわざトリックを暴かれるために番組出演はできない』ってさ」
それを聞いた男は「そうですか……しかたないですね、諦めます」とだけ答えた。
翌日、男の遺体が発見されることとなる。

男はどうして死んだのだろうか?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

とりあえず、死んだ男はトリックを暴いた男ですね?

YES!

はい

男は自殺しましたか?

YES!

いいえ

飯の種がなくなったから?

NO!

いいえ

男とインチキをしてた人はグルでしたか?

NO!

いいえ

インチキがバレた連中は男に何か復讐をしましたか?

NO!

はい

男は誰かを探していましたか?

YES!

いいえ

男が諦めたのは番組出演ですか?

NO!

いいえ

自殺。 男は自分の死を挑戦状として、自分の死を暴かせようとした?

NO! ただ、自殺はあってます。

はい

男は本物の超能力者を探していたが、皆がインチキを認めてしまったので失望して自殺しましたか?

YES! 正解にしたいとこですけど、もう少しだけ欲しいものがあります。

いいえ

男は本物の超能力者ですか?

NO!

いいえ

探していた人物を彼は尊敬していましたか?

NO!

いいえ

男が捜していた人は死んだ人ですか?

NO! でも、発想は近いです。

いいえ

本物を探していたが、見つかる前に番組が終わってしまったから?

NO! 番組はもうあまり関係ありません。

いいえ

探していた人物は男と面識がありますか?

NO! 彼は本物の能力者を見たことはありません。

いいえ

彼が捜していたのは特定の人物ですか?

NO! 探していたのは、特定の人物ではありません。

はい

男が本物の超能力者を探していた理由が重要なのですね?

YES!

はい

彼は超能力者に何かしてもらいたいことがありましたか?

YES! これが欲しかったです。

はい

13より、男は死人を生き返らせて欲しかったですか?

YES! 解説では生き返るまでもなく、会話ができればよいことになっています。

いいえ

彼は超能力者になりたかったんですね?

NO!

いいえ

自分が死んだ事で生き返えらせてもらえる魔術師を見つけたから死んだ

NO! 能力者は見つかりませんでした。

はい

核心死人が生き返らないので自分が死人になって生き返らせて欲しかった人に会おうとしましたか?

YES! 解説だします。

はい

核心死んだ人を生き返らせてもらおうと思ったが無理になり、自分が死ねば会えると思ったから?

YES!

はい

核心男は本物の超能力者に死んだ人と会話をできるようにしてもらいたかった。でも本物の超能力者は見つからなかったので自分が死んでその会話したかった人に会おうとしたのではないでしょうか?

YES!

答え

奇術師を生業としているその男には、最愛の女性がいた。
彼が鳴かず飛ばずの頃から、ずっと支えてきてくれた女性である。
「僕みたいな文無しと一緒にいてもいいことなんかないよ。他に良い男性を見つけて結婚したほうが幸せになれるさ」男は口癖のように、そう言った。
その度に女性は、「いいえ、私が幸せだと感じる場所は、貴方のそばだけです」と答えた。
「ああ、勝手にするといいとも。ただし、僕は君と結婚してあげないよ。自分ひとりを養うのが精一杯だからね」
「あら、では、ふたりを養えるくらいけ稼げるようになったときには、結婚してくれるのですね」
「はあ、どうして君はいつもそう……わかったよ。そうなったときはプロポーズするよ」
そんな会話をしながらもふたりの関係は変わることなく、数年が経った。
そんなある日、彼にテレビ出演の声がかかった。
彼はそのチャンスを見事モノにし、以降、しばしばテレビや舞台に呼ばれるようになったのである。
収入が安定し、彼は彼女との約束を果たすことにした。
仕事帰りに、彼女の白く小さな手によく似合うであろう銀色の指輪と、ささやかな花束を買った。
「なんて言いながら指輪を渡そうか。いや、どんな言葉で飾らなくとも、彼女は喜んでくれるに違いないとも」
しかし、顔をほころばせながら男が家路についていた頃、彼女は交通事故で帰らぬ人となっていた。

数日後、男は風変わりな屋敷の前にいた。入口には、白い張り紙に小さな文字で<心霊術>とある。
もう一度だけでいい、彼女と話したい。あの日伝えることのできなかった言葉が胸に残っていた。
藁にもすがる思いで、男は戸を叩く。手にはあの銀色の指輪を握りしめられていた。

しかし、男はその霊能力者がインチキであるとすぐに見抜いてしまった。
長年培ってきた奇術の技術と知識が、彼の前でインチキを突き通すことを許さなかったのである。
それでも彼女と話すことをどうしても諦めきれない男は、世界中をまたにかけて、本物の霊能力者を探すことにした。
そこで彼は自分が出演している番組を利用することを思いつく。彼がプロデューサーに企画を持ちかけると、プロデューサーは面白そうだと二つ返事で了承した。
その企画とは、彼が世界各地から訪れた超能力者のトリックを見破れるかどうかの対決をするというものであった。
この世界にほんとうに超能力が存在するのであれば、必ず本物の霊能力もあるのだと信じることができる。
彼は本物の超能力者が現れることを期待しつつ、番組に出続けた。
しかし、現れる能力者は全てインチキでしかなかった。
彼はただ、死んだ彼女にたった一言を伝えたいだけであったのに、ついに世界中の自称能力者たちは彼に白旗をあげてしまったのである。
もうこの世にいても彼女に語りかける術がないのだと観念した男は、自らが彼女に会いにいく方法を選んだ。

発見された男の遺体の右手には、指輪を握りしめていたようなあとが残っていたらしい。

— 初出題です。

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