ウミガメのスープ

これからの日々

作者: 牛削り

引越し先へ向かう電車の車窓から、
「カナエ、また会おうね」
と書かれた横断幕と、それを持って手を振るクラスメイトたちの姿を見つけた山村カナエ。
彼女は感激し、すぐに窓際の席を離れた。

カナエのこの行動は、ある推理に基づいたものであるが、それはいったいどんな推理だろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

クラスメイトたちがいる場所は重要ですか?

yes ※ミスリード注意

はい

クラスメイトたちが見送っているのは問題文中に登場する山村カナエですか?

yes

はい

カナエは電車に乗っていますか?

yes

はい

窓際の席は、乗り物の席ですか?

yes カナエの乗る電車の窓です。

はい

横断幕に書かれているのは「カナエ、また会おうね」ですべてですか?

yesとしましょう。

はい

電車は走っていますか?

yes

いいえ

クラスメイトは全員揃っていましたか?

no!!! ※ミスリード注意(この質問にはいろいろな解釈の余地がありますが、もっとも真相に近づきやすい回答の仕方をしています)

いいえ

カナエはクラスメートが写った写真を見ましたか?

no

いいえ

カナエとクラスメイトたち以外に重要人物はいますか?

no(解説にはあと二人重要な人物が登場しますが、ここでは考える必要はありません)

いいえ

ストーカーに追われて危険なのにこの電車に乗っている事を特定されて嫌ですか?

no

いいえ

カナエは自分が仲間外れにされたことを怒ってますか?

no

いいえ

クラスメート達も電車に乗っていますか?

no

はい

電車は有料特急のように一列4席ぐらいある車両として成立しますか?

yes

いいえ

カナエと共に学校を去るクラスメイトがもう1人いた為、その人に窓からの景色を見せてあげましたか?

no

いいえ

窓際の席を離れたのは、電車を降りるためですか?

no

いいえ

泣くのを見られるのがつらくて、窓際を離れましたか?

no

いいえ

犯罪要素はありますか?

no

いいえ

クラスメイトとの距離は割と近いですか?

noとしましょう。

いいえ

トイレに行くためですか?

no

いいえ

窓際の席(電車の外側のほう)を離れて電車の内側のほうに移動しましたか?

no!!!!!

カナエは反対側のホームにも自分を見送ってくれる人がいると思いましたか?

ホームではないけどyes!!!!! 問いかけに答える形でまとめてください。

はい

20 窓際から別の窓際席にうつりますか?

yes!

いいえ

クラスメイトがいる方と逆側に座っていたのでクラスメイトがいる方へと向かいますか?

no

はい

核心横断幕を持ったクラスメイトの数が約半数だったので、もう半数はカナエの座る席を考慮して逆の窓側にスタンバイしているのだと推理しましたか?

yes! 正解です!

はい

核心電車の窓から外を見たらクラスメートが見送ってくれていたけれど、全員揃ってはいなかったので、進行方向逆側の窓側に移動してそちらの車外から見送ってくれるクラスメートがいるか確認しましたか?

yes! 正解です!

横断幕とクラスメイトが車窓のガラスに映ったので、反対側にクラスメイト達がいる!と思って移動しましたか?

これはnoとします。

はい

核心21 カナエは横断幕と数人のクラスメイトを見て人数が半分しか揃っていない事に気付き、残りの半分は反対側にいると予想してそれを見にいきまたか?

yes! 正解です。

答え

亀山中学校で受ける最後の授業が終わると、山村カナエはその足で駅へ向かった。
親の仕事の都合での転校。仕方ないと思いつつも、やりきれない思いが残るのは、それだけこの学校での日々が濃密だったからだろう。
友人たちとの最後の挨拶は、軽めに済ませた。そうでないと、泣いてしまうから。駅まで行く気力がきっと萎えてしまうから。
両親はすでに転居先へ行っている。
「みんなとちゃんとお別れしてから来なさい」
母親からは朝、そう言われていた。

一人で電車に乗り込み、窓際の席に座った。プシューと音がして、ドアが閉まる。電車がのろのろと動き出す。
車窓に、見慣れた風景が映し出された。
あの本屋へは、ケイちゃんとよく学校帰りに寄った。
あの公園では、イッちゃんやタケ君とドッヂボールをした。
あのカフェで、マーちゃんの悩み相談に乗ってあげた。
車窓から見える街並みのあちこちに、思い出があった。
ちゃんお別れしてくればよかったな。
いまさらながら、カナエはちょっと後悔した。

その時だった。
「カナエ、また会おうね」
視界にその文字が飛び込んできた。
横断幕をこちらに見せながら、草原で手を振るクラスメイトたちの姿。副担任の先生も一緒にいる。
彼らの顔を見てカナエは感激し、涙を流しそうになった。直前で涙腺をしめたのは、胸に浮かんだある疑問。

──なぜ、私がこちら側に座るとわかったのか?

カナエが買ったのは自由席のチケットで、こちら側に座ったのは単なる気まぐれだ。予測できるはずがない。
ならばいたい、どうやって。
横断幕を持った生徒たちの人数を目算する。十人とちょっと。クラスの人数の約半数だ。
そして付き添っているのが副担任……。

カナエはある答えを得た。
泣いている場合じゃない。
急いで席を立ち、反対側の窓際に移動した。

いた。
こちら側にも、横断幕を持つクラスメイトたちの姿。付き添っているのは担任だ。
「カナエ、忘れないよ」
そう書かれていた。

彼らの姿は一瞬にして後ろへ消えていく。
しかしカナエの心に焼きついたふたつの車窓からの光景は、消えなかった。

「ありがとう」
カナエは呟き、涙をこらえるのをやめた。




これからの日々。
寂しくなることもあるだろう。
でもきっと大丈夫。

自分と過ごした日々を大切にしてくれる人たちが、
あの街にいるんだって、
カナエはずっとそう信じていることができるから。





【要約解説】
自分が電車のどちら側の席に座るか予測できるはずがない。
また、横断幕を持ったクラスメイトの人数は、全体の約半数。
そのことから、カナエがどちら側に座ってもメッセージが見えるよう、反対側にも横断幕を持った友人たちが待ち構えているはずだ。
カナエはそう推理し、最後に全員の顔を焼き付けておけるよう、反対側の窓際に移動した。

— 最後のウミガメ問題

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