背中と足跡
そう言って出ていったきり、ついに帰らなかった父。
それから何十年と経って、在りし日の姿を留めた父の死体を見つけた私は、自分はまだ父を越えるには至っていないのだと思い知った。
どういうことだろうか?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
山での遭難は関係ありますか?
Yes!
死体をどこで見つけたのかは重要ですか?
Yes
父が笑って死んでいたからですか?
No
父は即身仏になっていましたか?
No
死体は私の実力では行かない場所にあり、父はそこに行けたということなので実力的に私より上だと思いましたか?
No
超えるには至っていないとは、私と父の何らかの能力を比べた時の話ですか?
Yes まぁ感覚的な話です
「超える」とは物理的に超えるという意味ですか?
No
「いってきます」とは通常学校や会社に行く時に家から出る時に発するそれと同じ意味ですか?
Yes
カニバリますか?
ネタ質が早いわっ
私と父の職業は重要ですか?
Yes
父が死んだのは,「自分」が父を発見する10年以上前ですか?
Yes
父が「いってきます」と言った時、どこに向かおうとしていたかは重要ですか?
Yes
私は山で遭難して死んだ父の遺体を、山で見つけましたか?
Yes それも……
父も自分もまだ類人猿だからですか?
Noww
私と父は登山家ですか?
Yes
父の死体は白骨遺体ですか?
Yes ミイラ状態です
父の死体の近くに強敵(熊とか)の死体があったからですか?
No
私は遭難しましたか?
No
父の遺体は保存されていましたか?
保存、とは少し違うでしょうか。
遭難して死にかけているところで、死体を発見し、その父の死体が、老衰による死だったからですか?
No
父の死に様は重要ですか?
YesNo 死に様、というより……
13 父は直立して右手を天に向かって突き出したまま息絶えていましたか?
No
父が死んだ場所と、私が父の死体を見つけた場所は同じですか?
Yes
父の死に方は重要ですか?
21と同様、YesNo
当時の未踏峰の山頂で父の遺体を発見したけど、今はわりとベテランならだれでも登れる山だからですか?
No
私はこの後死にますか?
分かりません。
山が寒い雪山だったおかげで、父の遺体の保存状況が良かったですか?
Yes
父の死体は山の頂上にあったのですか?
Yes!
まだ父の遺体のほうが身長が高いですか?
No
父、息子はともに登山家。頂上で腐っていない父の遺体を見つけた息子は父が吹雪の中登頂に成功し息絶えたことを知り、雪が溶けるほど良い陽気の日にようやく登頂に成功した自分では実力的にまだ父には及ばないと思いましたか?
前半はYes
父は山のどの辺りで死んでいたかは重要ですか?
Yes
父は冬に過酷な雪山に挑み、頂上で遭難した。自分はまだそこまで登れない。父すごい、ですか?
No
私はまだ登っていて、父が死んだのは下山中だったからですか?
No
登山家として父のほうが上だと思いましたか?
Yes
父の遺体は博物館に展示されましたか?
No
父の死因は落下死なので、父はこれより上に登っていた事は確かで、自分は今いる所から登れませんという事ですか?
No
自分では到底出来ないような死に様だったからですか?
No
核心頂上にたどり着いてやっと父と同じところまで並ぶことができたが、無事に下山するまでは父を越えたことにはならないですか?
その通り!
父と自分以外に重要なキャラはいますか?
No
父が死んだ山を、私は自力で登山して頂上に辿り着き、そして父の死体を見つけたという状況ですか?
Yes
だーーーーなるほど!!これはすごい!!ではでは、興奮冷めやらぬ中、BSを開始します!az先生に質問できるのはラテシンだけ!!
ここまで長い道のりでした。
父は死後もなお成長しているのでなかなか背が追い付かず困っていますか?
Noww
az先生、100問出題おめでとうございます!!!!!
ありがとうございます!!!!!
azさん100問目おめでとうございます/)/)/)/)/)/)/)/)
ありがとうございます/)/)/)/)/)/)/)/) ←これって耳ですか?
おめでとう星人「ワレワレハ オメデトウゴザイマス」
ありがとう星人「ワタシハ アリガトウゴザイマス」
BS だったのですね 百問出題おめ&出題感謝
ありがとうございます&ご参加ありがとうございました&いつもご参加ありがとうございます
azさん、100問目おめでとうございます!
揚羽さんお久しぶりです。ありがとうございます!
100問出題おめでとうございます!
ありがとうございます! ここまで来ることができました。
azさん100問出題おめでとうございます!100問出題達成を意識されたのはどのあたりでしたか?
去年の今くらいには、あと数ヶ月で届くだろうと思ってたんですが、こんなにかかっちゃいました。
azさん100問出題おめでとうございます!100問目に相応しい含蓄のある問題で、解説も楽しみです。ハイクオリティでありながら、フットワーク軽く確信的な数々の名作は、ラテシンの偉大な遺産です。azさんとSOMRさんがラテシンで出会って、互いに刺激し合いながら活動されていることは、間違いなくラテシン史に残る奇跡でした。
ありがとうございます。解説は無駄に長く、回答してるふりしてまだ直すつもりですw 何度か言っている通り、私をここへ連れてきてくれたのは間違いなくletitiaさんなので、そう言っていただけると感無量です。
好きなガゼルは何ですか。
無難にトムソン。
azさん、100問目おめでとうございます!! 節目迎えられて良かったですね
ありがとうございます!! ギリギリでしたw
azさん100問目おめでとうございます (゚д゚)ゞ
ありがとうございます 忙しくて書き込みできなかったけど、昨日はありがとうございました!
azさん、100問出題おめでとうございます! 今回もキレッキレの良スープでした! azさんと言えばおくりもの始め面白いだけでは終わらない独特の問題を作られるイメージが強いですがいったいどこからそのセンスが湧いて出るのやら。いつも楽しませてもらっています。
ありがとうございます! 私は何の味気もない問題を出してるつもりだったりするのですw センスで言えば滝杉さんのセンスにこそ驚かされています。
作問にあたって重視している要素は何ですか?
私はシチュエーション重視派なので、状況自体の面白さがあるかどうかは意識していますね。
azさんと考えた問題、昨日出題しましたのです
見ました~ 作問も含め、とても楽しかったです!
100問出題の喜びを表現して踊ってください。まずは私が先に踊ります ヽ(*゚∀)ノヽ(*゚∀゚*)ノ~ヽ(∀゚*)ノ
エッサ!┗(´┏Д┓`)┓)))(((( ┏(´┏Д┓`)┛ホイサ!
azさん100問出題おめでとうございます!チャット欄でも「100問出題おめでとうございます!」って書いたけど,誰もお祝いしてなかったので「アレ?そういう感じじゃないのかな?」って修正してしまいました!
100問目なんですよー。ありがとうございます!
百問目おめでとうございます。azさんの問題はどれもハイクオリティですが、特に毒殺と冤罪を初めてみたときは鳥肌が立って感動したことをありありと覚えています。
ありがとうございます! MVS投票、とても嬉しかったです。
azさんの好きな問題なんですか?
自分の問題。
祝
喜
100問目おめでとうございます!「ねこのせかいはきょうもあめ」大好きです!
ありがとうございます。私も大好きですw
同期でひそかにライバル視している人はいますか?
ひそかにだと誰だろう……公然とライバル視してる人はいますが。
自分はまだ奴を越えるには至っていないのだ、と痛感するラテシンメンバーは誰ですか?
それぞれ違いがあるので、そういうのはあまり感じないですね。
azさんにとって素晴らしい問題とはどのような定義ですか?
本当に素晴らしい問題は定義不可能だと思っています。
名作メーカーであるazさんですが、ズバリ問題を作る上でのコツを教えてください!
私が知りたいw
踊り終えたところで、ハイクオリティの問題ばかりを積みかさねて100に到達した今のお気持ちを。
素直に嬉しいです。いや本当に。
この問題のタイトルより背中を踏みにじられ喜ぶ男の絵が浮かび上がるのですが、重要ですか?
重要です。
名前の由来を教えてください。
本名を縮めました。
azさん100問出題おめでとうございます。尊敬しています。あらゆる面で。
ありがとうございます。私も牛削りさんを尊敬しています。全ての面で。
azさんが作成された中で、あまり評価されてないようだけど自身は好きというスープがあれば教えてください
うーん、どれも何だかんだで結局は評価していただいてるように思います。強いて上げるなら http://sui-hei.net/mondai/show/29384 これとかは結構好きなんですけどね。
100問出題、おめでとうございます!この問題良いですね。先日の本塁打少年も面白かったです!
ありがとうございます! 睡眠削った甲斐がありました。
質問を考えるのと問題を考えるのはどちらが好きで得意ですか?
今は完全に問題を考える方ですねー。
44 ブーメランです。・・・嘘です耳です。 すべての問題が素晴らしいのは言うまでもないので、あえてそれ以外の部分で、azさんが闇スープをやってらっしゃる時の対応の早さ、深夜でも未回答がどんどん減っていくのを見て、その姿勢を尊敬しています。できればラテシン終了後も素晴らしい問題に参加させていただく機会があったら嬉しいです!
闇はあれです、暇なときにやってるだけですw そうですね、何かしらの形で続けるつもりではいます。
取得して嬉しかった称号ベスト3をあげてください。
1、伍長 2、軍曹 3、美味イイネ!(味が) かなぁ。
めでたい席です、まあ飲んでください つ 酒
今日のためにビール買っておきました。プレモル。
azさん、100問出題おめでとうございます!
ありがとうございます! タイミングが合わず参加できてませんが、コウCHAさんの100問挑戦、応援してます!
おめです。 fromA toZ は関係しますか?名前(=゜ω゜)ボー
ありです。実は全然関係しません。
某国の言葉でazと綴ると幸せという意味になることは重要ですか?
初耳です。どこ?
azさん100問目おめでとうございます!!ある時にazさんの問題一覧ページを拝見して、あまりのブクマ・MVSの量に驚いていました笑 どういう時に問題を思いついていますか?
ありがとうございます! 評価していただけることが嬉しくてやってこれたので、その点では良い循環でやれたかなと思っています。問題を思いつくときは、寝てるとき以外ですw
自分と似ているなと思うユーザーさんはいますか?
意外といないんですよねーこれが。誰かに似てます?
100問目おめでとうございます!「毒殺と冤罪」をみんなのブックマークから拝見して衝撃を受けました!
ありがとうございます! みんブクは今確か9ページ目だったかな? 見ていただき感謝感激です。
azさんを付け狙うと噂の謎の組織zaについて一言
実はその組織は私の自演です。
BSにいつも遅刻してしまう私です、すみません、azさん100問目おめでとうございます!!凄い! 握手してもらっても良いですか?
ありがとうございます。今パソコンの画面に手を突っ込んでます。
azさんのようなお洒落な問題を作るにはどうしたらよいですか?
オシャレかどうかはわかりませんが、とにかく“削る”ことを重視してはいますね。
さよなら、バス http://sui-hei.net/mondai/show/25927 が私しかブクマもMVSも入れていない件について全世界になにか一言お願いします
てめーら見る目ねぇな!!!!
あんまり良問を連発すると嫉妬心がおさまらないので三問に一回くらいは変なの出して下さい
じゃあ今度私が好きな脚本家を当てる扉出します。
MVS投票した問題の中で、特に印象に残っている作品は何でしょうか?
どれも印象に残る問題ばかりですが、最初に投票した http://sui-hei.net/mondai/show/19473 はやはり思い入れがありますね。
たくさんの良問を生み出しているazさんですが,私はazさんの「闇スープ」も好きです。最近の3つ「捲られぬそのページ」「ハートのビート」「本塁打少年」には参加させていただきましたが,どれも無理なく解けそうで・面白く・納得感もある問題でした。その辺りのバランス感覚のようなものがとても羨ましいです。これからもよろしくお願いします!
実は瞬殺が怖くて始めた闇スープだったりするんですw だから、やってみたら意外と簡単に出せますよ。
あずあず〜んずんずの中でどの「〇ず〇ず」が好きですか?
まずまずですね。
71とは逆に、azさん以外の方が作成された問題で、あまり評価されてないようだけど自身は好きというスープがあれば教えてください。
実のところ結構ありますね。私の投票一覧とか漁ってみてください。
天童魔子さんをほめたたえてください
発想が凄い。普通なら常識が邪魔して躊躇するラインを、軽々と飛び越えられていきますし、その意外性は常に新鮮な驚きを与えてくれます。何かにつけて「発想の転換、飛躍」が大事と言われるラテシンですが、本当の意味でそれが出来ているのは天童さんくらいのものじゃないかと思います。そして対応が丁寧! 回答は速いし正確、何より今まで自分の問題に誰が参加したか覚えてらっしゃるのか、「初めまして」「お久しぶりです」とさらりと挨拶してらっしゃるのが、本当に凄いです。ラテシンを代表するユーザーをひとり挙げろと言われると、私はやはり
カニバリますか?
蟹食べたい。
遅くなっちゃいました。azさん100問目おめでとうございます!azさんの問題は良問ばかりでいつも楽しませてもらってます!
ありがとうございます! ホルスさんのBSは参加できず、失礼しました。多分、現アクティブで一番登録が近いんじゃないでしょうか? ホルスさんもいろいろ企画をなさっているようで、楽しみにしています!
ラテシンも残りわずかですが、後何問ぐらい出題されるのでしょうか?
未定ですねー。一応、消化したいネタは3つほどあります
闇スープが好きなのでazさんがありがたいです。
闇スープ楽しいですよね。出すのも解くのも、闇大好きです。
azさんの名前の読みはあずですか?エーゼットですか?
アズです。
ラテシン終わる前にこの人にもう1問出題してほしいな・・・という方を3人挙げてください。30人でもいいです。
レティさん、とかげさん、すいまさん
97 69からすると、「あずみ」と読めばいいと確信しています。くのいち。
近い。
核心100!!
凄い!!!
40分経過星人「40分ケイカシマシタ」(30分ケイカコクチ忘れ星人「コクチワスレマシタ」)
まだまだ行くでー。
SoMRであいうえお作文を作ってください。
Sheaves on My Romance(逃げの一手)
102 おいわいなんでかきくけこ作文も添えましょう(提案
か き くえば けがになくなり こうふくじ
100問出題達成の秘訣とは、結局何だったのでしょうか? その瞬間にあるazさんにお聞きしたいです。
継続に尽きるでしょうねー。
aとzの間にあるのはbとかc
ただただ深い闇が広がっています。
azさんにとってのラテシンの魅力はどこにありますか?
だいたいSoMRさんがBSで語られてた通りだと思います。
97、99、個人的には本名「あずさ」さんに一票入れたいです。
可愛い。
ゴトーレーベルであいうえお作文を作って下さい
"ー" の扱い方を教えてください。
107 8時ちょうどにあなたから旅立ちますか? それはさておき揚羽さんおひさしぶりです
とても言えそうにありません。
azさんの過去問を拝見していたら、『Y教授の最後の授業』。これは先日のSoMRさんの100問目にあった『Y先生との思い出』との奇妙な共通点が。aとzの間にあったのはYなのかもしれませんね。ところで、『Y教授の最後の授業』、いい問題ですね。
やろ。
「あんず」さんでも素敵ですね。そして、ゴトーレーベルさん、お久しぶりです!
まぶしいひとつの青春ですね。
azさんの100問を通じて、この人にはスナイプされたなとか、すごく良い質問をされたなという方は誰ですか? 複数回答可でお願いします。
toshさんとえぜりんさんには終始怯えてました。この問題では立派なうさぎさんが一発目から核心を暴いていかれて、さすがだなと思っています。
数か月ぶりのスープを作る際、かつてSPしていただいた経験を思い出しながら作らせていただきました。 azさんに教わるまで『レシピを知らずにスープ作りをしていたこと』を改めて思い出しました。 スープ作りのお師匠さまです。
穀潰しさんお久しぶりです! その節はありがとうございました。先日の問題良かったです。
azさん100問目おめでとうございます!! 上でsquareさんもおっしゃっていますが、闇スープ「ハートのビート」に参加させていただいた時に難易度設定と誘導の巧みさ、参加者を楽しませる技術に感服いたしました。あまりに感動したのでスクショして大事にとってあります
ありがとうございます! スクショw
残り10分をちょっと前に切りました星人「オニイサン、イイオトコネー」
az「ハヤイナー」
あと五分暴君「吾輩があと五分と言ったらあと五分だろう!」
革命とか起きたりしません?
98 とかげさんは今練ってると信じてる
それではみんなで呼んでみましょう。「とかげさーーーん!!!」
88 呼んでなるほどと唸る問題。思わずブックマークポチりました。ご紹介ありがとうございました!
いい問題ですよね!
では最後に。今後のウミガメ師としての抱負をお願いします!
ウミガメ師として、本家越えは永遠の抱負です。
核心110と相談or雑談チャット欄より、Y氏の最後の授業は雪山の頂上であった。自らの研究対象であった川端康成とアーネスト・ヘミングウェイの小説を手に、凍えんばかりの唇でつぶやいた言葉は……、「ドラゴンボール最高!!!!!」。Y氏とY氏の最後の授業を聞いていた聴衆のもとに神龍が舞い降りたという。……こんな感じでしょうか。
その通り!
BS終了宣言師匠「そこまで!」
ありがとうございました師匠!
BSお疲れさまでした!!! わっしょいわっしょい
わっしょいわっしょい!
BSお疲れ様でした
ご参加ありがとうございました!
BSおつかれさまでしたー。改めて100問出題おめでとうございます。
ありがとうございました。まだまだよろしくお願いします。
o-tu
a-ri
BSおつでしたー。
ありです!
BSお疲れ様でした!
ご参加ありがとうございました!
BSお疲れ様でした。ああ、時代が一つ終わることを痛感しました。今後とも良きウミガメライフを!
まだまだよろしくお願いします!
答え
偉大な冒険家であった父は、しかし、どれほど危険な旅への出発の朝であっても、家を出るときはいつもただそれだけしか言わなかった。それがまるで近所の河川敷に散歩にでも行くような調子なものだから、送り出す私も何だか、父がその日の夕方には焼き鳥でも提げて帰ってくるのではないかと、そんな気がしていたものだ。
その日――前人未到の高峰・テストドゥマリナ登頂への挑戦に発つ朝もそうだった。父が帰ってこないなど考えもしなかった――そして、にもかかわらず、父は帰ってこなかった。山頂付近で消息を絶ち、それきりだということだ。
山頂付近は酷い吹雪に見舞われ、生存はおろか、遺体の発見も絶望的――父の仲間からそう伝えられても、私は一向に実感が湧かなかった。どうせ、帰宅途中にふらっと入った居酒屋で飲みすぎてしばらく寝ていたとか、そんなのに違いない。すぐに顔を赤くして帰ってくるだろう。そう思っていた。
だが、一週間経ち、一ヵ月が経ち、それでも父は帰ってこなかった。私はついに、事実を受け入れざるを得なくなった。父は死んだ――その遺体は今、氷に閉ざされた山のどこかに眠っている。
父の死を受け入れた日。私は父のような冒険家を目指すと決めた。
父の果たせなかった登頂を果たし、父の遺体を見つけ出す。父を超える冒険家となる――それが私の、人生の目標となったのだ。
無論、一筋縄ではいかなかい。コツコツと働いて資金を貯め、過酷なトレーニングを重ね、いくつもの山を登って経験を積んだ。幸いというべきか、偉大な冒険家の息子という肩書は何かと役に立ち、多くの人々の支援を得ることができた。
そうして準備を重ね、初めて挑んだテストドゥマリナ登頂は、7合目付近で高山病を発症しリタイアするという散々な結果に終わる。それから2年後、さらなるトレーニングの末に挑んだ2回目は、大規模な雪崩に巻き込まれ、あわや命を落とすところだった。
2度目の失敗の後、私は次なる挑戦を躊躇した。2度目の挑戦の少し前、私は結婚し、子どももできていた――。
母は一言も弱音を吐かなかったが、父亡き後の暮らしが決して楽なものではなかったことを、私はよく知っている。雪崩に巻き込まれたとき、自分はここで死ぬのだと思った。実際、もう少し運が悪ければ、確実に死んでいた。紙一重だったのだ。妻や子どもを残して、死ぬことなどできない。登山はこれきりにするべきだと思い始めていた。
それでも結局、私は三度、この魔の山に戻ってきた。妻の後押しがあったことも大きいが、やはり私には父の血が流れているということなのだろう。未踏の高山を制覇する、父の成し得なかった偉業を達成する――その夢に、その誘惑に、抗うことができなかったというのが実際である。
そうやって臨んだ3度目の登頂は、慣れもあるのだろうが、なんだか不気味なくらいに順調に進んだ。天候にも恵まれ、大きなトラブルもなく登り続け……そして私はついに、テストドゥマリナの山頂に立ったのだ。
――・――・――・――・――
頂に立った時、最初に感じたのは喜びや達成感ではなく、意外にも虚脱感だった。ずっと目指してきた場所に到達し、目標を失ったからだろうか。身体の半分がごっそり削ぎ落とされたような、そんな喪失感に苛まれ、私はただ茫然と、その場に立ち尽くしていた。
山頂から壮大な景色を見下ろしても、どこか虚しさが募る。ただ、父はこの景色を見ることは叶わなかったのかということばかり考えていた。
ふと。
山頂から少し下った小さな崖下の窪みに、この場に似つかわしくない色が見えた。赤。雪と氷と岩だけで作られたモノクロの世界で、その色は明らかに異質だ。不審に思い、慎重に崖下へと降りて、赤色の正体を確認する。
それは死体だった。赤色のウェアを着た登山者の死体がそこにあった。
その真っ赤なウェアに、私は確かに見覚えがあった。言うまでもない――それはかつて父が着ていたウェアだ。あらゆる山の登頂達成を記念して撮った写真の中で、父はいつもこのウェアを着ていた。彼の偉業を称える銀世界の写真の中に、常に彩りを与えていた赤だった。
はやる気持ちを抑え、私はその死体をよく調べてみた。極寒の環境で死体はほとんどミイラ化しており、顔はもはや確認できない。しかし、私はすぐに、これは紛れもなく父だと結論付けることができた。死体の背負う灰色のリュックサック、それに付けられた木彫りの鳥のキーホルダーは、私がかつてお守りとして父に贈ったものだったからだ。
いつか見た姿のままの父が、目の前に横たわっていた。
父の死体を前に、私は思わず笑みがこぼれた。
――父は、ここまで登ってきていたのだ。
この山頂まで。私よりもずっと先に、ここにたどり着いていた。最期にここからの景色を見て、息絶えたのだ。ここに至るまで父に何があったのかはもはやわからない。それでも、父はこの地に足跡を確かに残していたのだ。
私は急に、喪失感など感じていた自分が恥ずかしくなってきた。全身の血が煮え立つようだった。三度目の挑戦にしてようやくたどり着いた私と違って、父はたった一度のチャレンジで見事に登頂を果たしていたのだ。
敵わないな、と小さく呟いた。
私はまだ、父を越えてなどいない。ずっと追いかけてきた背中に、今ようやく、追いついただけなのだ。
そうだ、私にはまだ成すべきことがある。父がついに成し得なかったこと――家族のもとへ帰ること。
この山を下りよう。下りて、愛する家族に「ただいま」を言うのだ。そのときこそ、私はようやく父を超えることができる。父の遺体に手を合わせると、私はまた歩き出した。
【要約】
登山家の父を持ち、自身も登山家である私は、父が消息を絶った山への登頂を達成した。
父が成し得なかったことを成し遂げたつもりになっていたが、山頂に父の遺体があったことで、父もまた登頂は達成していたことを知り、彼を越えたと言うには下山して無事に帰宅しなければならないと思った。
参加者に解説を表示中。各自が封を開けます。
💬 参加者チャット
まだ発言はありません。
この問題、気に入りましたか?
📺 配信・対面での出題にご利用いただけます。ご利用のルール(出典・改変について)