ウミガメのスープ

ステキ

作者: 牛削り

ハヤトからマキへの、一世一代の愛の告白。

「あのさ、お、俺、は……っ」

マキは慌ててその場にしゃがみ込んだ。
何故だろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

核心くしゃみを躱しましたか?

YES! 1分以内のスナイプ!

愛の告白とはプロポーズですか?

関係ありません。

マキはハヤトが愛の告白を試みたのだと気付きましたか?

関係ありません。

答え

それはほんの些細な弾みだった。


「ねえハヤト、あんただったら呼び出されるのと、待ち伏せされるのとどっちがいい?」
「は? 何の話だよ」

家が隣同士のハヤトとマキは、帰る時間が偶然一緒になることが週に3回はある。
小学校入学からの8年間、ほとんど毎日、肩を並べて歩いてきた。

「だからバレンタインの話だって」
「またその話かよ。呼び出すとか大げさだから、適当に流れでいいんじゃね? 待ち伏せとかキモいし」
「キモいとか言うな」
「また伏見先輩?」
「そーだよ悪いか。であんたは14日すぐ帰んの?」
「なんでだよ」
「義理チョコくらい渡してやってもいい」
「は? 義理チョコとかくだんねー」
「どうせ誰にももらえないんでしょ」
「お前に心配される筋合いねえし。っていうかチョコあげたとかもらったとかマジ幼稚」
「呆れた……。あんたもさ、好きな人の一人や二人作ってみればいいんじゃない? どうせ今まで恋なんてしたことないんでしょ」
「な……」

と、車道側を歩くハヤトのすぐ横を、トラックが通り抜けた。
それを避けようとしたハヤトはマキの側によろめいて、塀に右手をついた。
塀と自分の身体の間にはマキがいた。

「ちょっとハヤト……」

近い。
マキの顔が近かった。
化粧っ気が無いのに肌はつやがあって、髪の毛はバニラのような香りがした。
ハヤトの鼓動が速くなる。
言うしかないんじゃないか?
ハヤトは思った。


「あのさ、お、俺……」

と、先ほどのトラックの巻き上げた粉塵がハヤトの鼻先をくすぐった。


「は……」


「は?」
マキがハヤトを見ると、口を中途半端に開けたまま鼻をひくひくさせている。


「は……」


マキは自分の置かれている状況を把握し、慌ててしゃがみ込んだ。
壁とハヤトの身体に阻まれて、下方以外に逃げ場がなかったのだ。




「はっくしょんちっくしょぉ!!!」


唾液と鼻水が、マキの頭上を掠め、音を立てて塀に付着した。


(うわ、この人、くしゃみの後にちくしょぉとか言う人なんだ……)
マキは上目遣いにハヤトを見つめ、思った。







(ステキ……)



【要約解説】
ハヤトが目の前でくしゃみをしそうになっていることに気付いたマキ。
壁ドンで逃げ場を塞がれているため、飛散する菌から逃れるためには、しゃがみ込むしか無かった。
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