無償の愛を貴方へ
その店で一番人気であり、一番高いメニューもスープ。
しかし、度々そのスープを何も支払わず、飲んで帰る人がいる。
勿論、食い逃げではない。
だとしたら、一体どういうことだろうか。
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
ラテシン関係ありますか?
いいえ。
そのスープは店の商品(メニュー)と同じものでしたか?
はい。
試飲ですか?
いいえ。
その人は、ただの客ではなく、何らかの特別な立場や職業の人ですか?
いいえ。一般人です
ボランティアは関係ありますか?
いいえ。
炊き出しですか?
いいえ。
スープは本物のスープ?
はい。
一番高いメニューで、「高い」が指してるのは値段ですか?
はい。
その他の客はちゃんとお金を払っていますか?
はい。
残り物のスープですか?
いいえ。
支払わない人は料理人の家族ですか?
いいえ。
その人が支払わず飲んで帰るのはその店でだけですか?
yes,no.時と場合によりけりです
その人の目的はその店のスープを飲むことですか?
はい。
その人が飲んでいるのは一番人気のスープですか?
はい!
その人はお店の様々なスープを飲んでいますか?
どういうことでしょうか?
料理人は好んでその人にスープをサービスしていますか?
はい。一応料理人の意思で無料にしてますね
磁気カードは関係ありますか?
いいえ。
その人は師匠的な存在ですか?
いいえ。
二人連れの片方が二人分支払って、片方はおごられる(何も支払わない)とかいうことですか?
いいえ。
犯罪関係ありますか?
あ、はい
その人は自分で注文したスープを飲んでいますか?
はい。
無料でスープを飲んで帰る人達に何か共通点はありますか?
はい!
無料でスープを飲んで帰る人達は犯罪者ですか?
いいえ。
ドリンクバーみたいなところに設置されてはいるけど、ランチなどのセットを頼んだ人しか飲んではいけないスープですか?
いいえ。
犯罪=料金を払わずスープを飲むこと ですか?
いいえ!
では料理店が犯罪を犯していますか?
はい!!
犯罪=スープを無料で飲ませること ですか?
いいえ。
一番人気のスープの材料は関係ありますか?
はい!!
一番人気のスープにある材料を使うことが犯罪ですか?
はい!!
本来食べてはいけないものが入っていましたか?
はい。食べちゃいけませんね
そのお店は犯罪だとわかっててその材料を使用していますか?
はい!
ウミガメのスープですか?
いいえ。
お金を払っている人のスープにもある材料は入っていますか?
yes,no.一番人気のスープにもお金を払って行く人はいます
客もある材料が入っているのは知っていますか?
いいえ!
お金そのものが入っていたり…?
いいえ^^
違法な材料を使っていたため、店主が御代を受け取らなかったのですか?
いいえ。
話の中で人は死にますか?
あ、はい
死人のスープですか?
はい。 ですが、少し語弊がありますね……新鮮なお肉を使ってます^^
毒物を混入して売っていますか?
いいえ。
客は問題のある材料が入っていることを知らないにもかかわらず、文句を言ってタダでスープを飲むのですか?
うーん……問題のある材料は38の通りです。知らないyes.
代金のかわりに材料を提供していますか?
解説ではいいえですが、過去にあったかもしれませんね
本当に無料(一切対価となる物や行動を求めない)なのですか?
はい。本当に無料です。
時間内に食べたらタダ!ですか?
いいえ。
客が何らかの理由により無料を主張する→店主が了解する という構図は合っていますか?
はい!
何かした客をお肉にしちゃいますか?マナー違反など
あー……店長の気に障ったらありますかもねー……
本当にお客さんは食べた後帰れますか?
あ、はい。ちゃんと帰れます^^
スープの正体を当てたらタダんひなる?
スープの正体当てたら……次のスープになります
無料の客は五体満足ですか?
はい。店長の気に障らなければ
店主はこれらの客を無料にしないと、犯罪がバレる危険がありますか?
いいえ。客から見たら、よくある事です
人肉使ってるとわかったらスープにされてしまうからお金は払わなくて良くなる…ですか?
いいえ。
核心スープに髪の毛入っていて、クレーム処理として次回無料でスープを提供していた?
次回無料というより今回無料ですが、はい!! 解説行きます!
答え
一番人気のスープは美味しいのだが、ある欠点があった。
時々、髪の毛が混じっているのだ。一週間に四度ぐらいはある。
それに文句を言う客に、店長は頭を下げながら、「お代は結構です」と言う。
「一番高いのに……どうして赤字にならないんですか?」
新入りの私の疑問に、誰もが言葉を濁す。
蕩ける肉や、モツが入ったスープ。一度飲んだ事があるが、それは美味しいスープだった。
こんな美味しいスープの材料が、安いわけではない。
赤字にならないのには、どういった訳があるのか、私は不思議でたまらなかった。
ある日、私は店長に呼び出された。
初老の彼の顔は、いつも微笑を湛えている。その日も、そうだった。
「君は、この店の一番人気のスープの秘密が知りたいそうだね?」
「あ、はい」
柔らかい声音。
私はその声が好きなのだが、今日はどことなく、怖かった。
「あのスープは脳味噌のペーストをベースにしてるんだ。その方がまろやかになるからね」
あ、嫌な予感。
「その時に時々混じってしまうみたいなんだよ。まあ、タダにしても肉の材料費はかからないからいいんだけどね」
店長の笑い。呆然とする私。
ニュースで最近見かける、この近くでの連続行方不明事件。
材料費がかからない。毛髪が時々混入するスープ。
ああ、なるほど、ね。
何処かから、誰かの悲鳴が聞こえたような気がした。
厨房で、いつも給料への不満を言っていた声だった。
「どうして、此処の一番人気のスープはタダにしても赤字にならないんですか?」
私はいつしか、新入りの問いに言葉を濁す一人となっていた。
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