【ラテクエ62-2】チャーミング・ヘイフィーバー
その小説が、「花粉症」という単語で始まったから、私はその小説を買った。
一体なぜ?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
私は、小説のストーリーに興味を持ったので買ったのですか?
NO. ストーリーに興味を持った、というのは違う気がします。
花粉症以外にも、その単語で始まったら私が小説を買う単語はありますか?
YES! かなり色々あると思われます!むしろ買わない単語の方が、圧倒的に少ないです。
タイトルの「杏子」と「大学」はどちらも登場人物の名前ですか?
関係ありません。どんなストーリーかも、重要ではありません。
小説の本文の一行目の頭が、花粉症だったのですか?
YES. 本文一行目の頭が、「花粉症」でした。
現在ものすごく花粉症を恨んでいる私みたいな人ですか?
NO. 私が花粉症についてどう思っているかは、関係ありません。
花粉症で苦しんでいる私はネット通販で検索ワードで花粉症から始まる本を購入しましたか?
NO. ネット通販でワード検索したら、この問題のようにはならないと思います。
私は「花粉症」の字を見るだけでくしゃみが出ますか?
NOw ワードハウスません。
「杏子」が登場人物(?)でなかったら、私は本を買うつもりはありませんでしたか?
YESNO! 「杏子」が登場人物であるかどうかはともかく、「杏子と大学」でなければ、買わなかったと思います!
餡子と大学芋は重要ですか?
NO. 美味しいですよね。春なら、桜餅より道明寺の方が好きです。
か行は重要ですか?
NO. か行も他の行も関係しません。
花粉症さんのサイン入りでしたか?
NO. 物語の書き出しです。
杏子と大学が英語で書かれた小説であり、花粉症と英語で書いてあったとしても成立しますか?
YES. 成立します。
その小説の終わりの文章に「花粉症」があった場合、「私」は本を買いますか?
YESNO. 場合によっては、買ったかもしれません。ただ、買おうとしている本の最後だけいきなり見ることはあんまり無いかな、と思って最初にしたまでです。
作者の名前は重要ですか?
NO. 作者の名前は重要ではありません。
「杏子」は「きょうこ」と読みますか?
関係ありません。そもそも……
「私」の名前は重要ですか?
NO. 解説にも名前は出てきません。
8より。タイトルが、杏子と高校だったとしても私は小説を買いますか?
YES! その場合は、「杏子と高校」だったからこそ、買ったでしょう。 ※ミスリード注意!
その小説はノンフィクションですか?
関係ありません。フィクションでもノンフィクションでも成立します。
小説は日本語ですか?
解説ではそうなっていますが、他の言語でも大丈夫ではあります。
「私」は大学生ですか?
関係ありません。「私」について重要な事実は、まだ出ていないある一つのことのみです。
そもそも言葉遊び要素はありますか?
NO. 言葉遊び要素はありません。
よこはき
YES. 縦書きでも横書きでも大丈夫です。
杏が花の咲く植物であることは重要ですか?
NO. そもそも、字面はなんでも良いのです。京子でも、今日子でも、杏樹でも、厨子王でも。
『杏子と大学』において、「花粉症」は「かふんしょう」と読みますか?
関係ありません。
私はそのシリーズだけ持っていないので花粉症と覚えていましたか?
YESNO. 私は、持っていたけれど持っていませんでした! ただし、シリーズは一切関係ありませんし、「花粉症」と覚えていたわけでもありません。
『杏子と大学』は、作者が作中を通じて記法に厳しい制限を課した作品ですか?
関係ありません。どんな物語でも大丈夫です。
花粉症という文字以外が未知の言語ですか?
NO. 「私」が読める言語で書いてあります。
私は杏子で父の書いた小説を購入しますか?
NO. ですが、「私」は、その作者の書く小説に、強い愛着を持っていました!
私は誰かにメッセージを送りたいですか?
NO. メッセージを送りたい訳ではありません。
私は女性ですか?
関係ありません。
ドラマのワンシーンなので内容は花粉症だけあれば良いですか?
NO. 花粉症だけ欲しいドラマって、どんな内容なのやら……。
現代日本で成立しますか?
YES. 現代日本で成立します。非現実要素もありません。
重要キャラは私のみですか?
YES. 私だけが重要です。
電子小説ですか?
NO. 電子書籍ではありません。
私は買った小説を読みますか?
YESNO. 「私」は読みます、が……。同じ状況に置かれたら、読まない人もいると思います!
自分の筆跡を隠したいですか?
NO. 筆跡は関係ありません。
私は、「花粉症」という言葉がいつ頃からどのように使われていたかを調べている学者で、資料としてその本を買いましたか?
NO. 調べません。
「私」の人生はこれまでこの作家の書いたとおりになっていますか?
NO. 非現実要素はありません。
杏子と大学の著者は「私」ですか?
NO. だとしたら、買うことはなかったでしょう。
その単語があるのが何かしらすごいことと思ってますか?
NO. 別に、全然すごくありません。が、頭が「花粉症」になっているということは、私を驚かせました。
私は日本人ですか?
YES. 「杏子と大学」の書かれた言語圏の人間です。
この女は作者のストーカーですか?
NO. 普通に、その作者の本がすごく好きなだけです。太宰治にとってのピース又吉くらい、と考えていただければ、まあ合っているかと。
私は偶然書店で本を手に取りましたか?
YESNO! 見つけたこと自体は偶然ですが、私が手に取ったこと自体は、偶然・ちょっと興味を引かれた、以上の理由があります!
その本は昔話ですか?
NO. でも、昔話だと、解説のようなことは結構ありそうです。
40 「花粉症」から始めると書き出しが面倒くさいですか?
関係ありません。が、確かにちょっと面倒くさかったですw
28より。私は、同じ作者の他の本の冒頭のワードにも、注意を払ったことがありますか?
YESNO! 私は、「他の本」の冒頭を、よく覚えています! ※ミスリード注意!
40
NO. 頭文字は関係しません。
40
YES. 正直、タイトルは、どんな言葉でも構いません!
私は、作者を個人的に知っていましたか?
NO. 単なるファンの方が、成立しやすいです。
私は小説のタイトルと本文の書き出し以外に、何か確認しましたか?
YESNO. タイトルと、本文の書き出しを見て、妙に思ったので、その疑問を確認しました。
私は花粉症というワードがいつ頃から日本語として定着したのかに興味があり、調査のために小説を購入しましたか?
NO. 調査しません。
文字ではなく挿絵ですか?
NO. 文字です。
小説の作者は、特別なメッセージを込めるなど、何か特別な意図を持って小説の冒頭を花粉症にしましたか?
NO. 作者に、特別な意図はありません。
この作家は推理作家で、必ず犯人の名前を書き出しに用いていましたか?
NO. そんな推理小説は買いたくないです……。
この作者は、小説の冒頭のワードに特徴があると私は思っていますか?
NO. 冒頭に特徴がある訳ではありません。
私は冒頭が花粉症であると予測して杏子と大学を手に取りましたか?
NO! 全然別の言葉が冒頭であると思っていました!
小説の書き出しがクイズの問題文としてよく使用されることは重要ですか?
NO. 重要ではありません。
私は、この作者の書いた小説の文章を一字一句もれなく完璧に覚えていますか?
YESNO. 冒頭だけ覚えていれば十分です。が、とても気に入っているので、覚えてしまうレベルで読み込みました。
私の職業は重要ですか?
NO. 重要ではありません。
核心作品はリメイクで、冒頭の書き出しが以前の同名小説と違いましたか?
YES! 解説では逆(買った方がリメイク前の物)ですが、そういうことです! 詳しくは解説でどうぞ。
核心この小説の作者のファンで、知らないタイトルと書き出しだったので、購入しましたか?
YES! そういうことです!
ヘブンズドアーは重要ですか?
分かりませんが、恐らく重要ではないと思われます。
作者の遊び心で次の単語をリレー形式で書籍化しているのに今回は例外でしたか?
NO. 新刊なら問答無用で購入しています。
答え
文章どころか、文字の一つ一つさえも光を放っているかと錯覚させるほど、その物語はキラキラと輝いていた。本好きな割に読むのが遅い私が、気づけば貪る様に2時間で読み終えていた。読みながら飲むつもりだったコーヒーを、すっかり冷まして酸っぱくしてしまっても、気にならなかったのは初めてかもしれない。
それ以来、私はその作家の本を読み漁るようになった。300ページくらいの小説が多かったが、エッセイや短編集などもあった。その原点となった『杏子と大学』も、私の本棚に置き、時々読み返した。
そうして数年の時が経ったある日、私は古本屋で『杏子と大学』を見つけた。手元にあることは承知しつつも、なんとなく親しみを覚えて、手に取った。
ところが、その『杏子と大学』は妙だった。本来、「舞い散る桜の花を見ると、気が滅入る。どうして日本人はこんな花を愛でるのか、杏子には理解できなかった。」で始まるはずの物語の書き出しが、「花粉症のせいなんかじゃない。杏子が春を嫌うのは、桜の花のせいだった。」となっていたのだ。
その本を持って古書店の主に聞いたところ、その『杏子と大学』は、作者が作家としてデビューする直前、自費出版で出したものなのだという。その作品が評判になったことで、出版社から新装版を出版するとともに作家としてデビューしたため、現在書店で買えるのは新装版だけで、私が持っていたのは新装版だったのだ。
店主の話を聞き終えた私は、迷わずレジに本を差し出していた。
――もう一つの『杏子と大学』も、読んでみたい。
心臓の音が、古書の間にこだましたような気がした。
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