20の扉

その問題を解いたなら

作者: 牛削り

ABC高校の、織田先生が顧問を務める数学同好会では、
去り行く三年生が最後に必ず解かされる問題があるという。
その問題の答えは何だろうか?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

問題は数学ですか?

yes!

いいえ

答えには卒業生へのメッセージが込められていますか?

no!

答えは割り切れないものですか?

「割り切れない」を、「自身と1以外の整数では割り切れない」ととらえるならyes!

いいえ

答えは先生のはなむけの言葉になりますか?

no!

いいえ

高校レベルの数学の知識は必要ですか?

no!

いいえ

卒業式は3月14日1時59分から開始されますか?円周率的に

no!

いいえ

3より 素数は関係ありますか?

no! 答えがたまたま素数というだけです。

はい

今までの質問より 答えは数字ですか?

yes!

はい

1+1は? と聞いて写真を撮りますか?

yes! さすが数学博士!

いいえ

人生とは何かですか?

no!

「円周率は?」「π!」でも可ですか?

まあ可ですが、織田先生は1+1派なのです。

核心にー(笑顔)

正解!

核心2進法で10

それって読み方は「に」でいいのかな?

はい

核心あ、もしかして答えは2ですか?

yes! くそうwー

核心2!(階乗的な意味で)

1+1の右辺にそれを書いたら丸はもらえないでしょう。が、おまけで正解つけときますね。

答え

三月の終わり。

桜の咲き始めた校舎への道を、織田先生は複雑な気持ちで歩いていた。
今日は大好きな教え子たちの旅立ちの日であり、お別れの日だ。
彼らの新しい人生を喜ばなければならないのに、別れの悲しさだけが募っていく。

毎年思うことだ。
どうせすぐに別れなければならないのだから、好きにならなければいい。
教える人と教わる人。ビジネスライクな関係でいればいい。
しかし織田先生は、いつもその自戒を破ってしまうのだった。

自分が顧問を務めている数学同好会での活動を振り返る。
駒野は数字を偏執的に愛していて、五桁未満の素数には全てニックネームをつけている。
菅原は大学受験の武器にしたいという動機で入部したくせに、すでに大学院レベルの問題にまで手を伸ばしている。
反町はイケメンだ。
鵜飼は数学で世界を救えると本気で信じている。
米澤の実家では、それは見事なホルスタインを飼っている。

彼らはみな、希望の大学への入学を決めている。
明日になれば、もうしばらくは、会うこともないだろう。

卒業式を終えて、三年生が玄関から出てきた。
織田先生は彼らに一列に並ぶよう指示し、鞄からカメラを取り出した。

駒野、菅原、反町、鵜飼、米澤。
素晴らしい生徒達だった。

込み上げてくる涙をこらえて、織田先生は彼らに、最後の問題を出した。

「いちたすいちはー?」


織田先生の目の前に、希望に満ちた五つの笑顔が並んだ。




【解答】
織田先生が最後に出す問題とは、写真撮影の際の合図である、
「1+1は?」という計算問題である。
したがって当問題の答えは、1+1の計算結果である「2」となる。
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