ウミガメのスープ

親切な魔法使いさんと輪廻する悲劇

作者: 黒井由紀

少女は願っていた。
舞踏会に行きたいと。
王子様と一緒に踊りたいと。

そんな私のもとへ魔法使いさんが現れてくれた。
魔法使いさんは優しく微笑むと
豪華で立派なかぼちゃの馬車と綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴をくれた。

「これで舞踏会に行ってくるのです」ノシ

ありがとう魔法使いさん。
でもね
私の結末は哀れなものとなった


一体どうしてでしょうか?

※天童魔子さんの「親切な魔法使いなのです」シリーズの問題文のオマージュです。天童魔子さん、ご許可ありがとうございます。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

私≒少女ですか?

YES. 「私=少女」です。

少女は舞踏会にとどこ降りなくいけましたか?

YESNO! 「舞踏会」にたどり着くまでは、滞りありませんでしたが……

カニバリますか?

解説ではYESです。 心の準備をしておいてくださいね☆

いいえ

少女は舞踏会で何か失敗しましたか?

NO. 「舞踏会」において、何らかの失敗をするようなことはありませんでした。

魔法使いさんは魔法を使いましたか?

関係ありません。豪華で立派なかぼちゃの馬車と綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴をあげて、少女を舞踏会に連れ出してくれる存在ならば、魔法は使えても使えなくても構いません。

いいえ

ガラスの靴で王子の足を踏みつけましたか?

NO! そもそも……

いいえ

少女は王子様に接近して会話することができましたか?

NO! 少女が王子様と会話できるはずありません!

はい

少女も王子も人間ですか?

YES. 少女も王子も、非現実的な力は使えません。

いいえ

少女は馬ですか?

NO. 少女は人間です。

はい

少女は怪我、もしくは死にいたりますか?

YES! 「哀れなものとなった結末」では、少女は無事ではないでしょう。

いいえ

魔法使いさんの馬車が大名行列を横切ってしまいましたか?

NOw 西洋風の世界観なので、横切るなら大名行列よりは衛兵交代でしょうか?!

はい

7より、王子様まは来ていませんでしたか?

YES! そもそも……

はい

少女は死にましたか?

YESで良いかと。詳しくは10を参照ください。

舞踏会にはたどり着いたものの、王子様のところにまでたどり着けずに終わりましたか?

YESNO! 「舞踏会」には辿り着きましたが、そもそも……

少女は王子様がいるのと別の舞踏会に行きましたか?

YESNO! 非常に微妙な線です。確かに、少女が行った「舞踏会」には、王子はいませんでした。

いいえ

招待状を持っていなかったので、不審人物として逮捕され、死罪になりましたか?

NO. 少女は招待状を持っていました!

いいえ

かぼちゃを粗末に使ったのでパンプキングに怒られましたか?

NOw むしろそこはパンプリンスと結婚して事なきを得ましょう!

いいえ

少女は舞踏会では一般人として扱われましたか?

NO! 少女は立派な貴族の子女ですし、そもそも……

はい

少女が私(10歳JS)でも成立しますか?

YES. KUZUHARAさんがJSであるかはともかく、成立します。何ならもっと年上でも成立するケースさえあります。

いいえ

舞踏会会場でテロが起こり、少女は巻き込まれ、王子はいち早く逃げていましたか?

NO! ただし、少女は「舞踏会」で起きたある事件の被害者です。非常に惜しいのですが、逆なのです。

いいえ

少女は高嶺の花ではなく百合の花ですか?

NO. 残念ながら、王子様のみならず、お姫様とも出会うことは叶わなかったのです。

少女が会いたがっていた王子は、遠い別の国の王子で、舞踏会に行っても会えないですか?

前半はNO.ですが、「舞踏会に行っても会えない」のはYES.です。なぜなら、「舞踏会」は……

はい

犯罪は関係ありますか?

YES. 一応、日本の法律には「あること」を禁止するものがありますし、「舞踏会」で起きた事件も、明るみに出たらただでは済まされない部類のものです。

「舞踏会」ha

YESNO! そもそも、「舞踏会」に、締めまで無事に、という概念は存在しないでしょう。

いいえ

舞踏会っていうか武闘会でしたか?

NO. 借り物の柔らかいドレスで闘おうとするその根性だけは認めますが、違います。

いいえ

舞踏会ではなく武闘会でしたか?(あれ、この質問前もしたような)

NOw 少女は結婚できませんでしたが、こちらは結婚おめでとうございます。

いいえ

20 王子の正体はテロリストでしたか?

NO! 逆なのです!

魔法使いさんの正体はペロリストでしたか?

おそらく、YES? 人のみを一飲みでペロリと逝ってしまうのですね。でも、問題を解くのには関係ありません。

いいえ

かぼちゃの馬車は腐敗が進んでいて爆発しましたか?

NOw 舞踏会までは無事に到着しましたし、かぼちゃの馬車が腐敗するなら、冬瓜でも西瓜でも胡瓜でも構わず馬車に仕立てたでしょう。

王子様は電波を傍受しましたか?

電波の傍受はしていませんが、何らかの方法で、王子は「あること」に勘付き、そして、「舞踏会」の招待状を出しました。

少女の行きたいと願っていた舞踏会と魔法使いさんが連れて行ってくれた舞踏会は同じものですか?

YESNO! 少女と魔法使いさんが考えている舞踏会は同じものですが、現実に少女が行った場所は……

王子様は魔法使いさんを知っていますか?

関係ありません。というか、さすがにお城に忍び込むのはちょっと骨が折れるっていうか、折れたら食べておいしいっていうか……

はい

少女は王子に殺意を持っていましたか?

YES! 解説では、少女の父が謀反人だったのですが、それでも成立します!

はい

とりあえず王子様は悪役ですか?

YES. 今回一番の悪役と言えるでしょう。

はい

核心少女の父の悪だくみに気づいた王子は、少女をおびき寄せるために偽物の舞踏会を開催し、少女はまんまと罠にハマって捕まってしまい、少女を人質に取られた少女の父も自首したので、家族まとめて処刑されましたか?

YES! 正解です! 解説をどうぞ。

いいえ

私は王子様ですか?

NO. 別にKUZUHARAさんが「腹」なんて要らないとおっしゃるなら、(゚Д゚)さんに食べて貰って王子のような本当の屑になるのもよろしいかもしれませんが。

答え

簡易解説:少女が招待された舞踏会の正体は、謀反人を呼び出す罠。父親が気づいて少女を行かせまいとしていたのだが、魔法使いさんの親切で、少女は「舞踏会」へと行ってしまう――。

小窓から見える世界は狭くて、私の人生も同じように、決まりきった狭い道を歩くことになるのだと、そう思っていました。あの日、彼が現れるまでは。
「oh! 今日は舞踏会なのですよ? ここで何をしているのです?」
聞こえた声に反応して小窓を見上げると、そこには一人の少年がいました。外も中も暗いせいで、顔はよく分からなかったけれど、明るく、楽しそうな声は、今でも印象に残っているのです。
「いいえ、私は行けません。お城から来た舞踏会への招待状は、お父様に取り上げられてしまったのです」
「oh~なんと可哀想なのでしょう。でも、心配ご無用なのです」
そう言って彼が差しだしてくれたのは、綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴でした。それらは、まるで私のためにあつらえたかのような出来上がりだったのです。
「これで舞踏会に行ってくるのです」
彼は私を小窓から引っぱり上げ、かぼちゃの馬車に乗せました。

辿り着いたお城には、沢山の華やかな姫君たちと貴族たちがいて、彼らを沢山の兵士がどこかへ連れ去っていました。状況を察することもできないうちに、私もまた、兵士によって地下牢へと連れて行かれました。
間もなく、私はあの舞踏会の本当の意味を知りました。王家に対する謀反を企てているという噂のある貴族とその子女を集めて、その計画を潰すためのものだったのです。
ある者は殺され、ある者には謀反計画の全容を吐かせるために拷問され、ある者は舞踏会に出てこなかった者を呼び出すための人質として地下牢に捕えられました。謀反の疑いの掛けられていた私のお父様は、きっと招待状を見た時に気づいていたのでしょう。
悔やんでももうすべてが遅すぎたのです。

謀反も王家もどうなったのか分からないまま、時は経ちます。皆死に絶えてしまったのでしょうか? 今の季節も分からなくなるほどに時間が経ったとき、私は懐かしい声を聞きました。
「oh! どうしてこんなところに? 王子様はどこなのです?」
それは私のoh!子様。あの日、お城へと連れ出してくれた少年が、牢屋の小窓からこちらに話しかけていたのです。彼は、あの日と同じように身を乗り出し……鋭い音と共にくずおれ、窓枠の外へ落ちて逝きました。牢屋の内側に残ったのは、彼の首だけ。
「oh~窓がトラップになっているとは、気づきませんでしたのです~」
窓に仕掛けられたギロチンのようなトラップに掛かり首だけになった彼は、それ以降も快活に話しつづけていました。本来ならばとても不気味な存在であったはずの彼は、私にとって、親切な良き話し相手となりました。

「おなかがすいたのです」
今は朝? 昼? それとも晩? ああ、もうどうでもいい。とにかく、何か食べたい。
すると彼は、にっこりと微笑んでこう言いました
「私の顔をお食べ」
私は、彼に請われるまま彼に口づけました。その時の味は、今もよく覚えています。とても蠱惑的で、芳しくて、甘くて、酸っぱくて、しょっぱくて、苦くて、辛くて、柔らかくて、硬くて……
「お腹が空いているのです」
私は、檻を形作っている柱を食べました。
私は、城を形作っている石を食べました。
私は、森を形作っている木を食べました。
私は、生きとし生けるものすべてを、息絶え死んでいるものすべてを、お腹に収めました。
魔法も使えるようになりました。
王子様を夢見る不幸な少女をお城に連れて行きました。
踊ったことのない少女に赤い靴をプレゼントしました。
花嫁を探すカエルの王族に人間の少女を紹介しました。
七人の小人と暮らす少女に魔法のりんごをあげました。
王子様に会うために足を求める少女に足を授けました。
でも、満たされることはないままだったのです。

私は今も「親切な魔法使いさん」として、旅を続けているのです。
あの日に首から切り離されてしまった、彼の身体はまだ見つからないままなのです。


天童魔子さん、3周年おめでとうございます!
湧き出続ける発想で繰り出される質問・問題の数々を、いつも楽しんでいます。キラキラしたもの、ワクワクするものが詰まったびっくり箱の蓋に手をかけるような気持ちで参加宣言をしています。これからも、水平思考の魔法を見られることを楽しみにしていますので、どうぞ末永くよろしくおねがいいたします!

※この問題はフィクションです。実在の人物、人外、カニバリスト、団体、国、作品は関係ありません。
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