ウミガメのスープ

【ラテクエ59リサイクル】根菜の村

作者: えぜりん

風が吹くとトン汁が食べたくなるという不思議な街がある。
その原因の一つがアゲハチョウの増殖とのことだが、一体どういうことだろう?





ラテクエ59リサイクル フィーカスさんの作品です。


【参加テーマ】
豚肉と野菜のたっぷり入った味噌仕立ての汁物を、あなたは何と呼びますか?
ちなみに私は「トン汁」ですが、私の母は「ブタ汁」と呼んでいました。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

人死にますか?

No 死にません。本当にゴメンナサイ。

いいえ

トン汁にはアゲハチョウが使われていますか?

No 使われていません。本当に…(あ、ここは謝らなくていいか)

はい

風が吹く→…→アゲハチョウ増殖→…→トン汁が食べたくなる、となりますか?

Yes! 流れはそれでOKです。

いいえ

アゲハチョウの増殖は捕食などにより死ぬ固体が減ることが原因ですか?

No! 減らないから増えるのではありません。

はい

アゲハチョウの増殖に人為的な要素はありますか?

Yes! 人の作ったものが原因です。

はい

アゲハチョウの餌は関係ありますか?

Yes! 関係あります!

はい

5,6 人が原因でアゲハチョウの餌が増えた結果、アゲハチョウの数が増加しますか?

Yes! その通りなんですが…

いいえ

7 人が花を増やしますか?

No 花ではないのです。

いいえ

人間はミカンの木を植えましたか?

No! ミカンではないのですが、幼虫の食べ物という着目点GJです!キアゲハの幼虫の食べる「ニンジン」を植えていました。

はい

この問題はアゲハチョウ以外の蝶々でも解決しますか?

Yes! 幼虫が「ダイコン」の葉っぱを食べるモンシロチョウでもOKなのです。

いいえ

人参の葉を食べて成長したアゲハチョウが風に乗って飛び立つことにより、幼虫が成虫に成長した=人参が収穫の時期であることを悟り、ニンジンを使った豚汁を食べたいなぁと思いますか?

No そういうわけではないのです。

いいえ

風が吹く→風に影響されない地中で育つ根菜を植える→ニンジンの葉っぱが増えてアゲハ増殖の流れですか?

No 根菜を植えている理由は重要ではありません。

いいえ

9,10より アゲハ蝶のせいで豚汁の材料が取れなくなり、「食いて−」ですか?

No! 取れなくなると困るので…

はい

人間はアゲハチョウの食害を防ごうとしますか?

Yes! 防ごうとしますが、簡単なことではありません。ある決断が必要だったのです。

いいえ

ニンジンが植わっている場所は重要ですか?

No ニンジン畑です。

いいえ

14 食害にあっている作物を廃棄しますか?

No! そう、食害に合ってしまったら廃棄しなければならないのです…

いいえ

とん汁には幼虫が入っていますか?

No 入っていません(泣)

はい

アゲハ蝶を駆逐する過程はありますか?

Yes! 飛んでるヤツは放置ですが。

いいえ

とん汁にはアゲハチョウの幼虫は入っていますか?

No アゲハチョウの幼虫って、結構臭いです。

はい

核心風に乗ってやってきたキアゲハがニンジンの葉に卵を産みつけ大増殖、ニンジンの全滅を防ぐために卵のついたニンジンを全て引っこ抜いたので、あちこちにニンジンの山ができて、このニンジン使った豚汁食べたいなあ、となりますか?

Yes! その通りです。あと豚肉を手に入れる話もあるのですが、似たような流れですので、これで正解とします!

いいえ

豚肉とニンジンを物々交換しますか?

No ぶつぶつしません☆

答え

その街が小さな村だった頃、風に飛ばされて来たアゲハチョウのためニンジンが食害されるのを避けるため、ニンジンを早期に収穫した。
同じ頃、やはり風に飛ばされた来た蚊による感染症でブタが死んだので、まだ元気なブタと売り物にならない小さなニンジンでトン汁をつくり、イベントを開いた。
今では「トン汁祭り」は風と関係なく開催されているが、当時の名残で、風が吹くとトン汁を食べたくなる人が現れる。





以下、無駄に長い詳細。
(………いや、ちゃんと自重してますって。ホントです。)





それはまだ街が小さな村だったころのお話。

村ではニンジン・ダイコン・ゴボウ・ジャガイモなどの根菜類が多く栽培されていた。
それには理由があるのだが、まあそれは置いておく。



村にはあまり風が吹かないけれど、年に数回、妙に風の強い日がある。
そんな時は決まって、風上から厄介なモノが飛ばされてやってくる。

それは、時にはシロアリの群れで、ほとんどの家屋の建て替えを余儀なくされた。
それは、時には蚊の群れで、人々を眠れぬ夜にいざなった。

それは、時にはアゲハチョウの一種、キアゲハの群れで、ニンジンの葉に大量の卵を産み付けた。
すべての葉が食い荒らされあと、増殖したキアゲハが残った。



ある時、キアゲハの乱舞を見ながら村人は思った。
このまま放置してニンジンの葉を食い荒らされてしまうより、さっさと収穫した方がいいのではないか?

村人たちは協力してニンジンをすべて収穫し、葉を焼き払った。

問題は残ったニンジンだ。
まだ小さくて売り物にならないそれらを、村人は毎日食べた。
食べて食べて食べて…すっかり飽きてしまっても食べた。

ニンジンで得るハズの収入が得られず、他の食物を買うカネがなかったからだ。
まだ村は貧しかったのだ。



何年かに一度、キアゲハの大群はやってきた。
その都度ニンジンの早期収穫が行われた。



ある年、運の悪いことにキアゲハと蚊の大群が一緒にやってきた。
ニンジンはいつものように早めに収穫して難を逃れた。
しかし、蚊の方は、痒いだけでは済まなかった。

村人の飼うブタが一頭、蚊の媒介する感染症で死んでしまったのだ。
このままでは他のブタも発病するかもしれない。
ブタの飼い主は焦った。
残りのブタも死んでしまったら…何も残らないと。

そこで飼い主は村人達に提案した。
「俺のブタを提供するから、ニンジンと、他の根菜も提供してもらえないか?」

それでたくさんトン汁を作って、トン汁祭りを開こうと言うのだ。

村人たちは大乗り気だった。
飽きるまでニンジンだけを食べるよりはるかにいいと思ったので、計画も宣伝も頑張った。
果たしてトン汁祭りは、ほうぼうからの観光客を集めて大盛況に終わった。



それからというもの、風が吹くたびトン汁祭りが検討されるようになった。
状況的に開催不可能な場合もあるのだが、風が吹くと村人は、反射的にトン汁のことを考えた。



時が流れ、何度ものトン汁祭りを経て、村は大きな街になった。
今はもう、畑は少なくなったし、風で飛んでくる迷惑な虫たちもいない。
トン汁祭りは、風とは関係なしに定期的に開催されるようになった。



でも、風が吹くと今でもこんなことを言う人が結構いるのだ。

「今日は風が強いから、夕食はトン汁がいいね!」



おわり
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