どういう事かバスの時刻表通りの時刻に到着していないのだ。
前までは一分違わず時刻表通り着いていたのに。
まぁ、ここは東京とかの大都会と違い、田んぼと山広がる田舎だからバスが遅れても最悪いいだろう。
しかし、バスの遅れ方が不自然なのだ。
例えば、一昨日予定より一分遅れていたバスが、昨日だと二分遅れになり、今日だと三分遅れと、ほんの少しずつだが徐々に遅れているのだ。
何故、徐々にバスが遅れているんだ?
【ウミガメ】【闇スープ】

時計の方は正確ですか?

イエス 正確です。

バス停は動かされていませんか?

正解!瞬殺...... [正解]

バスの運転手の時計が一日一分ずつ遅れてますか?

ノー

人は誰しも人生と言う終点行きのバスに乗るものなのです。昨日より今日、今日より明日。徐々に君に残された時間は減ってしまうのです。つまり何が言いたいかと言うと『時間は有効に』なのですね?

ノーです。
いくら田舎だからってここまで遅れるとは、そろそろ我慢の限界だ。今日こそは運転手にでも文句をいってやろうか。
僕は憤りながら、バス停でバスを待っていた。
そこで一つ違和感を感じた。
「あれ?このバス亭ってここにあったっけ?」
回りの景色が田んぼだらけで、今まで全く気づかなかったが、よく見たら引きずったような跡がうっすらと残っている。
そこで謎が一度に解けた。バスは今まで通り一分違わず到着していた。しかし、バス停が少しずつ動いているので、徐々に到着が遅れているのだ。
でも一体誰がこんなことを?
悩んでいると、バス停に別客が来た。
年配の女性だ。女性は足を怪我しているのか、庇うように引きずっている。
「あの、足がお悪いんですか?」
僕は思いがけずに話しかけていた。
「えっ、あぁ、はい。最近怪我しちゃいましてね。いやぁね、年を取ると」
彼女は見知らぬ人間にも、人当たりのよい朗らかな顔で答えた。
「でも不思議ねぇ。この前まではあんなに遠くにあったバス停がこんなところまで動いてるなんて」
「えっ、あなたは知ってたんですか?このバス停が動いてること」
「ええ、前はこの足であっちまで歩くのは大変だったから。でも日が経つごとにバス停の距離が近くなってきてるのよ。おかげで大助かりだわ」
彼女の一言で察しがついた。
恐らく、この足の不自由な老女のために親切心でバス停を動かしたのだろう。
「それは、よかったですね」
僕が相づちを打つと同時にバスが来た。
その後、バス停はその位置から動かず、女性の足が治ると、また、始めの位置に戻されていた。
長文ごめんなさいm(__)m