ウミガメのスープ

そこに山があるから

作者: とかげ

あなたはある日、山を登っていた。
頂上まで登り切ったと思ったら、実はそこは頂上ではなく、本当の頂上は更に登ったところにあるらしかった。
さて、あなたはこの後どうする?

男はこんな質問を投げかけ、相手の反応を見るのだった。
どういうことなの?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

男の職業は重要ですか?

YES 職業というより仕事の内容でしょうか

はい

男の質問は「あなたはある日~この後どうする?」までですか?

YES その部分が質問内容です。わかりにくくてすみませぬ

いいえ

言葉遊びはありますか?

NO とんちやクイズなどではありません

はい

男が質問している相手は、男が直接見ることのできる場所にいますか?

YES 目の前にいます

反応を見たあとに、男は相手に何かしますか?

YESNO? 直後には何もしませんが、そのうち何かします

いいえ

男は何かを勧誘するつもりですか?

NO 勧誘ではなく…

疲れるので引き返します。

そこに山があるのに!

いいえ

面接で不採用が決まった人を落とすための口実にするつもりですか?

NO ですが面接YES!

いいえ

登山家がスカウトしてますか?

NO 実は、登山自体は関係ないんです!

はい

8より、普通に面接でとっさの受け答えを見るために質問していますか?

YES さて、どんな受け答えを期待しているのでしょう?

いいえ

いわゆる圧迫面接ですか?

NO でも意地悪な質問とは言えるかも

いいえ

10より、「私なら、さらに上を目指すと思います。何故なら、頂上がどこかを決めるのは自分自身であり、そこで妥協したらそれ以上の成長はないからです。同じように御社でも、様々なプロジェクトにおいて〜」みたいなしょっぱい回答を期待していますか?

NO その答えは想定していますが、それは期待した回答ではないんです!

いいえ

11より そんなカップヌードルのCMですか?

NO カップヌードルのCM面白いですよね

いいえ

相手が「と、とりあえず一旦休憩しますぅ」とか言ってぶりっ子したら落としますか?

NOw 個人的な好みで落としませんw

いいえ

海賊王に俺はなる!ですか

NOw 山だってば!

いいえ

大喜利なので、オモシロ解答ですか?

NOw ですが、ある種普通でない回答を期待します

いいえ

「私はこの面接を終えたあと、家に帰って屁をこいて寝ます」という、たとえ話に惑わされない回答を期待していますか?

NO たとえ話に乗ってくださいよw

いいえ

や~ま~それは~ ですね?

NOw ある意味合格させたいですw

いいえ

人生にゴールなどないですか?

NO 良い言葉ですね

いいえ

「山を切り崩して、そこを頂上にしてしまえばいいんですよ。」そう答えた彼の右手には誰よりも邪悪なオーラが渦巻いていましたか?

NOw そんな彼には会社に勤めるより世界征服しそうですw

はい

面接者の水平思考力を試していますか?

YES どういうことでしょうか!

頂上を削り落とします のように水平思考らしい(?)答えを期待していますか?

それはNOです(削り落すって豪快ですね)が、水平思考関係します!

いいえ

男は同じ質問を別人からされたことがあり、そのベストアンサーを探すために面接を受けている人から答えをパクろうとしていますか?

NOw せこいw

「俺はこの山を登り切ることができたら、あいつにプロポーズしようと思うんだ」とかがお好みですか?

男にとってはNOですが、自分は好みです

いいえ

その山で殺人事件が起きており、頂上っぽい所から更に上がある事を知っている…犯人はお前だ!

NO なぜ殺人事件が始まるのですかw

いいえ

最後まで油断するなですか?

NO 魔子さんから格言がどんどん出てくる…

いいえ

山の本当の頂上がどこかなど宇宙レベルで見れば塵芥のような誤差でしかない、ますか?

NOw 哲学的ですw

いいえ

本当の面接官は掃除のオッサンの振りをした社長ですか?

NOw 「あ、オッサンこれ捨てておけよな!」「はいはい~(ええと、○番不合格、っと)」ません!

いいえ

目標を達成した後に次の目標へのモチベーションを保てるかチェックしますか?

NO そう思わせておいて実は…

はい

面接では実際に山に登らずに、山に登っていることを想像して答えますか?

YES 山なうではありません

はい

核心「まず、問われている内容に不明点があるので質問させていただきます」と言ってメガネをクイッとやるのが通な就活生ですか?

YES そんな嫌な奴だと落としたくなりますがそういうことです!

いいえ

「どうして欲しいですか?」とニヤニヤしながら聞き返しますか?

NO それ会計士のブラックジョークですねw

いいえ

登山同好会の武勇伝を夜明けまで語らうシーンですが、重要ですね?

NOw さるぼぼさんの頭にはどんなストーリーが出来上がってるのw

いいえ

とりあえず今日はここが頂上でいいじゃない、と主張しますか?

NOw ラテシンには合格させたい方が多いですw

いいえ

更に登るためにはあえて下らなければならない事もありますか?

NO それも確かに水平思考かも?

いいえ

ぼく「この後更に登るかどうかは体力次第ですが、登った山を降りることだけは確実ですね。」と屁理屈を言うべきですか?

NOw 確かにその通りだけどw

男はオニギリ方の惑星にいますので頂点に上ろうとするとバランスが崩れて底辺にいくので『野心を燃やし上へ登ろうとする輩は結局は落ちぶれるものだ。』っとなにやら難しいことを言っていますか?

ちょ、待ってくださいなんなのそれww

いいえ

本当の山頂すらゴールではないという答えを期待しますか?

NO かっこいいです!

いいえ

困ったら負け!ますか?

NO 困ってもいいじゃない、人間だもの

いいえ

「それはともかくとしてですね、私が御社を志望した理由は、自由闊達な社風と、世界に誇る技術力に大変共感したからでありまして」と、例え話なんかよりも如何に会社が好きでたまらないかをアピールするのが正解ですか?

NOw 人の話を聞きましょうw

いいえ

同僚が誰もラテシンしてくれないので就職生でラテカルシンキングをエンジョイしますか?

NOw そんな社会人はラテシンでネット上の人と遊びましょうw

とりあえずそこまで登ったらそこらへんの石持って、背負ってきたリュックに登って誰より高い位置から見下します。見下ろすじゃなく見くだします。という変人は不採用ですか?(´・ω・`)

面白いので採用したいですが、寝首を掻かれそうで心配ですw

答え

緊張した面持ちがズラリと並ぶ様子を見るのは、あまり心地よくはない。
おまけに全員が全員、似たようなスーツを着込み、似たような髪型に揃え、地味で無難なネクタイを締めている光景は、もう見飽きていた。
しかしこれが私の仕事だ。仕方ない。

「これから、集団面接を始めます。質問には、答えられる準備ができた人から答えてください。順番は特に決めません」

私と、他にもう2人。
この3人で、就職試験を受けに来た若者を10名ずつ面接していく。
筆記試験は既に終えており、次の個人面接に進めるかどうかは、この集団面接をパスできるかどうかにかかっている。
そう。私は、就職面接を担当する、人事部の人間なのだ。

他の面接官が、当たり障りのない、面接マニュアルに載っているような質問をしていく。この業界への志望動機、なぜ我が社なのか、我が社でどんな仕事をしたいのか、学生時代に頑張っていたことは何か……

もちろん、こういった質問に対しては、就活生の方も準備をしてきている。出来不出来の違いは多少あるが、全員がそれなりの答え――つまり、間違ってはいないが、面白みのない答え――を用意できていた。

基本的な質問が済み、他の2人が私の方をちらりと見る。軽く頷いて、私は就活生に対して、初めて口を開いた。

「あなたはある日、山を登っていた。
頂上まで登り切ったと思ったら、実はそこは頂上ではなく、本当の頂上は更に登ったところにあるらしかった。
さて、あなたはこの後どうする?」

一瞬、彼らの頭上に疑問符が見えた。
どういった類の質問か、困っているのだろう。
しばらくすると、ポツポツと手が上がり始める。
「私はその新たな頂上を目指して登ります! 目標というのは、常に同じとは限りません。目標を達成したからこそ、新たな目標が現れるのです!」
「私なら、その山に登る価値があるかどうか考えます。とにかくやみくもに登ればいいというわけではないと思います。価値のありそうな山であれば、もちろん全力で登ります」

案の定、彼らは勘違いをしている。
山を高い目標の比喩と捉えてしまうのだ。
9人が似たり寄ったりの回答を済ませた。最後の10人目は、腕を組んでまだ悩んでいる。どうにか、他の人とかぶらない回答を出そうとしているのだろうか。
「あなたはどうですか?」
話しかけて見ると、ぱっと顔を上げ、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「あの……すみません」
「どうしましたか? 思いつきませんか?」
「いえ、そうではなくて、その……」
するりと組んでいた腕をほどき、私の方をじっと見つめる。
「あの、質問をしてもよろしいでしょうか?」
「どういった質問でしょうか」
「その……たくさんあるのですが……」
他の就活生9人が、ぱっと彼の方に視線をやった。
「……ほう。どういうことでしょうか?」
「いえ、状況が全然わからないので。その新しい頂上までどれくらいの距離がありそうなのか、そのとき私は疲れ切っている状態なのか、誰かと一緒に登っているのか、もう夜になりそうなのか、次の日は休日なのか、そもそも登山が好きな人を想定すればいいのか、どういった経緯でその山に登ることになったのか……」
「なるほど。わかりました。では私からの質問は終わりにします」
10人の表情はわかりやすかった。
他の9人は、しめた、という顔をしていた。ライバルが1人減ったと思ったのだろう。
最後に答えた彼は、少し残念そうな顔でこちらを見ていたが、それ以上話すつもりはないらしく、「はい」とだけ答えた。
私は結局、その質問しかしなかった。それまでの彼らの回答なぞほとんど覚えていなかったが、それで十分だった。



面接試験が終わり、10人の就活生が部屋を出てから、他の2人の面接官が、私の方をちらりと見た。
「意地が悪いですね、あれだと落ちたと思うでしょう」
「まあ、もっと可哀そうなのは他の9人ですがね」
私のやり方を知っている2人は、そうは言いつつも、どこか楽しげだ。
「あらゆる事態を想定できること、状況に応じて臨機応変な対応を想像できること、そして何より……固定概念に囚われないこと。我が社に必要なのは、そんな人間だ」
「仰る通りで」
「ごもっとも」

最後に質問を返してきた彼の名前にだけ○をつけた私達は、すぐに次の就活生の面接準備に取り掛かった。

END


男は就職面接の面接官。水平思考ができる人間かどうかを見極めるために、その質問を投げかけていたのだった

— 頂上でスープを飲みましょう

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