美しくて残酷で
男の描く絵は繊細な優しいタッチで、
描かれた物も、それを見た人も幸せになるような美しい絵だと高く評価されていた。
(もっとも、評価されたのは彼の没後であったが。)
さて、この男はかつて、風景や日常の1シーンを切り取った絵を描くのを好んでいたのだが、
ある時から、残酷でグロテスクな拷問の絵ばかりを描くようになった。
一体、なぜ?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
拷問の絵は頼まれて描いたものですか?
NO!
拷問ばかりを見る日常になってしまいましたか?
NO!
残酷でグロテスクな絵も高く評価されましたか?
YESNO! 重要ではありません
彼が孤独で不幸なことと、残酷な絵を描き始めた関係は重要ですか?
YES? 少なくとも幸福な暮らしをしていたら拷問の絵を描くことは無かったでしょう。
不幸で孤独なのは重要ですか?
YES!不幸な身の上です。孤独はあんまり関係ないかも。
男の家族は死んでしまいましたか?
YESNO!重要ではないです。
非現実要素はありますか?
NO!
絵の種類は重要ですか?(油絵、水彩画などの)
NO!
他に登場人物はいますか?
YES!男の両親が居ます。
男は生活していくために絵を描いていましたか?
解説の都合上NOですが、YESでも可です。
彼は軟禁または監禁されていますか?
NO!ですがイイトコついてます!
彼は精神を病んでいますか?
恐らくYES!普通の精神では無いでしょう。
男はひきこもりですか?
YESNO!重要ではありません!
男は両親と一緒に住んでいますか?
NO!とある事情により今は住んでいません!
男はなにかを見ながら絵を描きますか?
NO!想像で描きます
拷問の絵を描くのは強要されていましたか?
NO!頼まれて描いたものではありません!
拷問の絵は好んで描いたのですか?
NO!決して好んでいたわけでは無いのです!
両親との仲は良好でしたか?
NO!全く!
自分のために絵を描きますか?
YES!
ある時を境に、いままで描いていたような風景画などの絵は一切描かなくなりましたか?
ある時を境に、と言うとNO!拷問の絵を一定描いた後、男はまたそれまでと同じ絵を描くでしょう。
男は両親を恨んでいますか?
恐らくYES!※ミスリード注意
残酷でグロテスクな絵なら、拷問の絵じゃなくても成立しますか?
NO!拷問かそれに準ずるものである必要があります!
男が残酷でグロテスクな拷問を描くことで、男の両親は困ってしまいましたか?
NO!
拷問の絵のモデルは両親ですか?
NO!
男は両親から体罰(暴力)を受けてきて、その内容を絵にしていましたか?
YES!正確にはその内容と似たような拷問の絵です!
男は自分がされた体罰を絵にして、自分が体罰を受けていることを証明しようとしましたか?
NO!
[25]より、両親から受けた暴力内容を警察、もしくは法廷での事実内容資料として描きましたか?
NO!
男は1人暮らしですか?
NO!解説では孤児院に住む少年となっています。しかし重要ではありません。
虐待から解放されてから拷問の絵を描くようになりましたか?
YES?正確には絵を描くようになった事自体解放後です。
男は両親から受けた暴力による傷や痣を隠す為に、自らの体中にカムフラージュ・タトゥーを施しますか?
NO!その発想はなかった!
画風が変わるに当たって、男に心情の変化はありましたか?
YES!
男は今までの自分の生活の経過を絵にしていきましたか?
NO!むしろ・・・
絵の中に両親の姿はありましたか?
NO!
男には兄弟がいましたか?
NO!
ヒントのあるものとは自分ですか?
YES!絵の中に「自分」を描いていました!
男は両親に捨てられたが、体罰を受けていた日々とて、それが両親と実際に触れ合った日々だからむしろ両親がいなくなり体罰を受けない日々を物足りなく感じ、体罰の日々を創造しながら描く精神異常に陥りましたか?
NO!それでもう1問作って欲しかった(-_-)
男は未来の絵を描いていますか?
NO!
自分が両親に暴力をもって『復讐』する絵を描きましたか?
NO!
男は遅ればせながら、虐待を重ねてきた両親を訴えようとしていますか?
NO!
男は二重人格ですか?
NO!
男は二重人格ですか?
NO!
男は『自分はダメな人間、生きる価値の無い人間、両親が居なくなっても虐待を受け続けなければいけないんだ…』というマイナスな精神異常であり、両親が居なくなってからも『自分がずっと拷問を受け続ける絵』を描きましたか?
自分が拷問YES!但し、ある目的の為です!
親が遠くに行ったもしくは他界したので、親を思い出すために自分が拷問される絵を描きましたか?
NO!その発想もなかった!
男は『自分が拷問を受ける絵を描き自分自身に見せる事で、孤独だとて両親が居なくなり虐待を受けなくて済む今は幸せなんだ!!!』と思う為ですか?
NO!
男にとっては虐待(拷問)が唯一の家族との絆でしたか?
NO!
将来のためですか?
NO!
親に殺されたかったのに殺されなかったから死ぬほどつらそうな拷問の絵を描きましたか?
NO!
描いた絵を親に送りますか?
NO!
男は自分の不遇とは正反対の、優しい両親、暖かい家庭を夢見て、見た人が幸せを感じるほどの絵を描いていたが、現実と戦うため、過去と向き合って過去の絵を描き始めましたか?
NO!ごめんなさい、過去の絵って言うのは問題文下から3行目のことでございましゅm(_ _)m 現実と戦うというよりむしろ・・・
男は自分だけが登場する絵を描く事で、両親を忘れ去りたかったのですか?
NO!両親のことはむしろ既に忘れちゃってるんじゃないですかね?
虐待を受けていると、頭を打って記憶喪失に。それで親と引きはがされながらも何となくむごいことをされた記憶が残っており、拷問の絵を描きましたか?
NO!
男は異常なまでの虐待により、記憶喪失になり、体中の傷や痣を見て、何故自分がこんな状態なのかを思い出したい、知りたい! その為にあらゆる拷問絵図を描き、自分の体に何があったのかを探りましたか?
NO!
現実逃避に、美少年が拷問されている絵を描いていましたか?
現実逃避YES!美少年、と言うと語弊がありますが。
自分が描く理想の自分はこんなに安らかで綺麗な顔なんだ! 今ここにいる醜い姿は本当の自分じゃない! 男は絵の中の自分こそ本当の自分だと思い込もうとしましたか?
NO!逆に?逆に?
絵の中よりも、いまの自分の方がマシだと思い込ませ安心しようとしていましたか?
NO!そこまでは行きません!
絵の中の綺麗な顔をした自分は過去の自分… 今、現実には醜い姿の自分… 男は『醜い姿の現実と向き合う』為に、あえて過去の自分を描きましたか?
んーNO!現実逃避のために描きました!
男の中では、妄想の世界が現実であり、虐待された醜い自分も、自分を虐待した両親も存在しませんか?
ある意味ではYESかも知れません。
男は八つ当たりしたかったがそれをする勇気はなく、それを実現にするために絵で表現しましたか?
NO!
綺麗な自分を虐待する絵は絵であり現実ではないので、綺麗な自分は存在すると思いたかったのですか?
NO!
核心理想の自分に嫉妬しましたか?
YES!
核心理想の自分に嫉妬しましたか?
YES!
絵の中の理想の自分は『全くの他人』。 その美しい姿に、現実の醜い自分は恋をしましたか?
NO!恋ではないです!が、初期案それでした(-_-)
答え
ある所に、親に酷い虐待を受けていた不幸な少年がいた。
少年は左目を抉られていた。片耳がちぎれていた。
ストレスで毛髪が半分抜け落ちていた。歯も欠けて黒ずんでいた。
顔には大きな火傷痕があった。体は傷跡だらけだった。
まるでゾンビ。
そんな醜い状態で、孤児院に保護された。
少年は誰にも心を開かなかったので、同年代の友達も出来なかった。
そんな時、不憫に思った院長が、絵を描く道具を彼に与えたのである。
それからと言うもの、少年は毎日絵を描き続けた。
毎日毎日絵を描き続け、絵の腕はみるみる上達していった。
そして、いつしか彼は、かつて夢見ていた『普通の日常』を、絵に描くようになった。
今まで味わえなかった理想の日常を、絵の中に求めたのだ。
その内、少年は絵の中に、自分の分身を描き加えるようになった。
海を眺める自分。高台から街を見下ろす自分。友達と遊ぶ自分・・・。
理想の世界に生きる理想の自分は、清潔な体に小綺麗な服を着て、幸せそうに笑っていた。
眩しかった。
・・・
そんな毎日が続いたある日、少年は今までに描いた絵を見返してみた。
すると、なぜか奇妙な感覚に陥った。ハラワタが煮えくり返るような、奇妙な感覚だった。
気分が悪くなり、思わず洗面所で嘔吐した。
そして、顔を上げて、鏡に映った醜い自分の姿を見て、ようやくその感覚の正体に気づいた。
分身と自分を重ねあわせるには、余りにも容姿に差があり過ぎたのだ。
彼は、絵の中の自分の分身に対して、激しく『嫉妬』していたのだった。
・・・
それからと言うもの、少年は今まで自分が受けた虐待の数々を思い出しては、
絵の中で似たような拷問を、美しい分身の体に受けさせた。
少年が新しい絵を描くたび、少年の分身に傷跡が増え、美しい自分は醜くなっていった。
そうすることで、『理想の自分』と『現実の自分』の差を埋めようとしたのである。
そして、いつしか『理想の自分』と『現実の自分』が同じくらいに醜くなった時、
少年はまた、理想の日常を描き始めることになる。
美しい日常の中に微笑む、現実と同じ醜い自分。アンバランスだが幸せな絵。
皮肉にもそれは、現実の少年が生きる世界とは真逆の、優しい世界だった。
彼はその後、絵描きとなり、一生の殆どをそれらの絵と共に過ごして孤独に逝った。
人々は彼が、絵の世界に旅立ったと信じて疑わなかったという。
※短い解説↓
両親による酷い虐待の影響で、醜い姿になった絵描きの男は、
自分の理想とする世界を絵に描き、自分の分身をその世界に住まわせた。
しかし、絵の中の『美しい自分』と現実の『醜い自分』とのギャップが大きすぎて、
自分の姿を分身に重ね合わせることが出来なくなり、彼はいつしか分身に嫉妬するようになる。
そして、絵の中の自分に、かつて受けた虐待を模した拷問をかけ、
自分と同じ醜い姿にすることで、それらを解決しようとしたのである。
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