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「捕らわれの騎士の望み」「38ブックマーク」

[低空飛行便] 2014年10月30日21時43分
はギルベルト・ボーデンシャッツ。

もし時間があれば、俺の話を聞いて欲しい。


ハール国とカナン国が戦争をした。
そして俺はハール国の騎士として戦った。

しかし戦争はカナン国の勝利に終わった。
俺は捕らえられ、カナン国の牢屋の中にいる。

俺は、祖国ハールに帰りたい。


もし時間があれば、知恵を貸してくれないだろうか?
俺がこの牢屋から脱出する方法を。


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解説末尾に要約がありますので、時間のない方はそちらをご覧ください。


長い時をかけて牢屋からの脱出に成功した俺は、
祖国ハールへと向かった。

既に滅んでしまった、誰もいない祖国。

俺が勤めていた城は既にボロボロの廃墟だ。
城の周りの街も、何もかも、朽ち果てている。
無理もない。あの負け戦から、どれだけの時が過ぎたというのだろう。

足元には荒れた土。
手元にはカナン国から持ち出したリンゴの種。
いつの間にか降ってきた雨が、俺の全身を濡らす。

カナン国の牢屋での出来事を思い出す。

俺は目を閉じ、胸に手を当てる。
心音を感じる。決して止まない心音。

……俺は、一つの決心をした。
こんな形でしか亡き祖国に尽くせないが、
それでもこれは俺でなければ出来ないことなのだ。

例え何百年かかっても。



     ※



ハール国立大学。作物栽培学特別実習の授業中。
太陽の光が大学所有のリンゴ園に降り注ぎ、
そこにはまるで憩うかのように教授と学生たちがいる。

「実はこのリンゴには作物栽培学上の謎がある。
この品種はもともとハール市にはなく、
ここから遠く離れたカナン市の特産品であった。
しかし、ある時期よりハールでも盛んに栽培されるようになったのだ。
それ以来、このリンゴがハールの特産品として
豊かな富と恵みをもたらしていることは、諸君の知るところだろう」

教授が学問上の問題を学生たちに披露し始めた。

「カナンのリンゴというと、騎士がリンゴの木に変身したという、
あのリンゴですか?」

学生の一人が発言した。

「それは後世の人間が創作した逸話の類だろう。ともかく、そのリンゴだ。
さて、この品種がどのような過程でカナンからハールにもたらされたのか、
諸君には分かるかな?」

教授は微笑んで、学生たちに問いかけた。
学生たちは一様に首を傾げたり肩をすくめたりしている。

ただ一人、先ほど発言した学生だけは、リンゴの木をじっと見つめている。

「教授、おそらくその謎は解き明かせると思います」

リンゴの木を見たまま、その学生は言った。

「ボーデンシャッツ君、随分な自信だね。
学者たちは土壌の成分を調べたり、リンゴのDNAを調べたりしているが、
今のところ有力な説が出てきていない。
君はどうやってこの謎を解き明かすつもりかね?」

教授の質問に、ボーデンシャッツと呼ばれた学生は少し困ったように笑った。

「どうやって、かは、正直まだ分かりません。
でも、必ず解き明かしてみせます」

ボーデンシャッツは目を閉じ、胸に手を当てた。

「例え何百年かかっても」



解答要約:
不老不死の騎士が長年かけて牢屋の中でリンゴの木を育て、
その木によじ登って天井の窓から脱出する。



謝辞:
本問題作成にあたり、天童 魔子さん、さしゃさんに、
SPとしてご協力いただきました。ありがとうございます。

「ラストティータイム」「38ブックマーク」

[なさ] 2015年04月21日01時30分
お茶をもらえないかな。」
そう言う上司の机にお茶を運んだOLは会社をクビになった。

一体何故だろうか?





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台はとある飲食店。
OLの女はこの飲食店でアルバイトをしていた。
女がOLとして勤めている会社は副業禁止なので当然規則違反となる。

そんな飲食店にたまたま来店しお茶を頼んだ上司。
女はバイトリーダーに「○○番席にお茶持って行ってー。」と言われてお茶を持っていったために
副業していることが発覚し会社をクビになったのだった。


※ruxyoさんからアイデアをいただいた問題でした。

「彼女の涙」「38ブックマーク」

[芳香] 2015年06月19日19時59分
校の前でバスに乗った女の子は、バスが発車しないうちに泣きながらふらふらと降りてきました。どうしてでしょう?

(SPを黒井由紀さんにしていただきました。とってもありがとうございます!)




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校の前にやって来た献血バス。O型が足りませんとの係員さんの呼び掛けに、だったら献血してこようかなと女の子は乗り込みました。

受付をして、用意された事前質問に答えていって、問診をされ、血圧も測ってもらい、いざ。
と思ったら、「あらっ、あなたA型なんですね」と係員さんがちょっと驚いたように何気なく言って、それを聞いた女の子は固まりました。

女の子の両親はいずれもO型で、O型からはA型の子供はうまれないはずなのに。

そんな、どうして? お父さんの浮気、お母さんの? それともわたしは、ほんとうはどっちの子でもないの? 十八年間育ててくれたお父さんとお母さんは、わたしのお父さんとお母さんじゃないの?

茫然としながらも採血を済ませ、ふらふらと覚束ない足取りでバスを降りる一秒前、ぽろりと女の子の目から涙が落ちました。



そしてその日の夜です。家に帰った女の子は、夕食を食べながら切り出しました。

「今日、献血に行ったんだけど」

お父さんとお母さんは、ぎくりとしたように動きを止めました。

「わたし、ずっとO型だと思ってたし、お父さんもお母さんもそう言ってた。でも、お姉さんが、A型ですって」

お父さんとお母さんは顔を見合わせて、それから「黙っててごめんなさい」とゆっくり話してくれました。
彼女はお母さんの大親友から産まれたこと。大親友、つまり女の子の本当の母親は女の子が一歳のとき、その夫、つまり本当の父親と一緒に事故で亡くなってしまったこと。駆け落ちをした母親と父親には頼れる親戚もおらず、お母さんは大親友の忘れ形見をその手で育てると決めたこと。お父さんも賛成して、十七年間、女の子を二人で大切に育ててきたこと。

「確かに最初は、親友の子供だからって理由で引き取った。でもね、もうあなたは私達の子よ。紛れもなく、私達の大事な娘よ」

話を聴いて、女の子はバスを降りたときとはまた違う気持ちで泣き出しました。まだ細い、けれどとても大きくなった肩をお父さんが抱き寄せます。お母さんは女の子の背中を撫でながら、「今度アイツのお墓参りいこうか、『娘はもらったって悔しがらせてやる』」、とささやいて、涙声で笑いました。

めでたしめでたし。

要約解説
#big5#「献血バスにて、検査で自分の本当の血液型が親から産まれるはずのないものだとしった女の子は、自分が今まで両親だと思ってきた人達の子供ではないと悟り泣いてしまった。」#big5/#

「神様の四割引」「38ブックマーク」

[芳香] 2015年06月28日23時43分
の日、カメオがおつかいに行ったらいつもの洗剤が広告の品で四割引きだったことを、カメオは十年後に奇跡だと感じ、一生感謝することになった。なぜ?


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体が悪くなってまともに家事ができない、どころかまともに生活していけない。単身赴任した夫は忙しく、相談すらできない。

そんな状況に耐えかねて、カメオの母は死のうとしていた。

その日、カメオが本来「おつかい」で頼まれていたのは、いつものものではない洗剤だった。
家にあるいつものお風呂用『アルカリ性』洗剤と、カメオが買ってくるはずの「『酸性』洗剤」とを混ぜて有毒ガスを発生させ、母は自殺しようと考えていたのだ。

だが、幼いカメオが買ってきたのはいつもどおりの洗剤だった。
間違えてしまったのだろうか、と母が失望しながら理由を訊くと、カメオは言った。

「だってね、すごいんだよ! このいつものやつ、『4わりびき』だったんだ! すごいでしょ! やすかったからこっちにしちゃった! おかあさん、うれしい?」

まだ子供ながらに母を喜ばせようと、褒めてもらおうと嬉しげなカメオを見て、母は我に返り、涙した。
自分はなんてことをしようとしていたのだろう。こんなに幼い、いい子の、かわいいカメオに自分の親が死ぬための道具を買わせようとするなんて。

「ごめんね、ごめんねカメオ、ありがとう。……きっと神様が、まだ死ぬなって言ってくれてるのね」

当時のカメオには意味がわからなかったが、十年後、化学の授業を受けていたときに理解した。
あのとき、いつもの洗剤が四割引ではなかったら、カメオは母に頼まれた通りのものを買ってきていただろう。家にある洗剤と混ぜれば毒ガスの発生してしまう洗剤を。

カメオは十年前の真実に気付いて恐怖し、それから深く感謝をした。他でもないあの日に、自分にいつもどおりの洗剤を選ばせてくれた「神様」の奇跡に。


要約解説
いつもの洗剤が通常価格の四割引で売られていたことで、幼いカメオはそれに惹かれ、母から頼まれた違うタイプの「いつものものと混ぜると毒ガスの出る」洗剤を買わずに済んだ。そのため母は希望を取り戻し、当時はなにがなんだかわからなかったカメオは、十年後、化学の授業ですべてに気が付き感謝した。


ざっくり言うと、母の「死」を免れたのだ。「四」割引だけに。(重要ではありません)

「わからない」「37ブックマーク」

[とかげ] 2014年06月06日21時18分
は彼女の行動の理由がわからず悩んでいた。
友達に相談すると、「それは嫉妬させるためだ」と言われた。
でも、それが違うことは確実なんだ。

どういうことだろう?


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の心なんてわかるはずない。
 気まぐれで複雑で何の規則もない。自分の心さえあやふやでうまく表現できないときがあるくらいなのに、どうやって人の心を見分けろって言うんだ。

 立入禁止の学校の屋上で、友達と二人、俺はコンクリートに座り込んでいた。やたらと腹が立って、苛立ち紛れに足元の小石を蹴飛ばした。友達は転がる石を目で追いつつも、俺のイライラの理由を聞きたがっているようで、そわそわしている。
 俺も誰かにこのイライラを聞いてもらいたかったから、吐き出すように言った。

「嬉しそうに笑ってても内心は怒ってるとか、反則だろ? 嫉妬させるためにわざと他の男と仲良くするとかさ、見抜けるわけないっての」

「……あれ? お前、そういうこと悩んでるわけ?」

「そりゃ悩むだろ」

 溜息をつく俺に、友達は意外そうに目を丸くする。

「他の男と毎日一緒に帰る彼女の心境、とか、本当にわからないよ……」

「うわ、えげつないな。お前ってそんな苦労してたのか」

「ほんと、俺はどうしたらいいんだ?」

「まあ、女心は確かに難しい。しかしだ」

 こんなとき普段なら率先して俺のことを馬鹿にする友達が、今日は何故か優しくしてくれる。慰めるように俺の肩を軽く叩いた。

「落ち込むなよ。だってそれこそ、嫉妬させるためなんじゃないか? 頑張れよ」

「ああ、俺もそう思ったんだけどさ」

 だってもうそれしかないと思ったのに、違ったんだ。

「それは選択肢になかっただろ?」

「は?」

「それで俺、結局二番にしちゃったんだけど、お前は?」

「……ちょっと待て」

 突然友達が眉をひそめて真剣な顔をする。それから、納得したように膝を打った。

「それ、今日の国語のテストの話?」

「他に何があるんだよ」

 END

俺が彼女の行動の理由を相談した友人は、俺が恋愛で悩んでいると思って「(俺を)嫉妬させるためだ」と言ってくれた。俺は国語のテストの問題に悩んでいただけで、嫉妬は選択肢になかったので、それが彼女の行動の理由ではないことは確実だった。