1967年ごろに英国のエドワード・デ・ボノが唱えました。
ある問題に対し、既成の枠にとらわれずに、視点を様々に変えて問題解決を図る思考方法。
与えられた枠の中での問題解決を探る論理的思考や分析的思考などの通常の思考方法は、ロジカルシンキング(垂直思考)と呼ばれます。
水平思考での発想例
ランダム発想法
物事を無作為に選び、興味分野と関連付けて発想を広げるという思考法。
刺激的発想法
ある物事に対して、「こうであったらいいとの希望」、「ある部分を誇張してみたらどうなるか?」、「あるいは逆にしてみたら?」、「なくしてみたら?」、「何かと一緒にしてみたら?」などの一覧を作り、その中で最も突飛なものを選び新しい発想をする思案法。
挑戦的発想法
ある物事に対してそれがなぜ存在するのか、あるいは何のためにそうなっているのかを考える事で、発想する思案法。
概念拡散発想法
ある概念を他の事物に広く応用できないかと検討して発想する思案法。
反証的発想法
広く支持されている考えは間違いであると考え、明らかで言うまでもないと考えられていることに疑問を呈し、説得力のある反証を試みる思案法。
昔、美しい娘がいる一人の商人が意地の悪い金貸しからお金を借りて、返せなくなりました
途方にくれる商人に金貸しが提案したのが、あるくじ引きでした。
空の財布に白・黒の2つの小石を入れ、娘にそのくじを引かせます。
白い石が出れば借金が帳消しになり、娘もこれまで通り父親とともに暮らせます。
しかし、黒い石が出れば、借金は帳消しになりますが娘は金貸しの妻にならなければいけません。
もし、娘が石を選ぶのを拒めば父親は監獄送り、娘も食べていけなくなります。
しかたなく商人はこのくじ引きに同意しました。
そこで、金貸しは三人が立ち話をしていた商人の庭から石を拾って財布に入れましたが、
娘はその金貸しが財布に入れた石が二つとも黒である事を目ざとく見つけて、思わずゾッとしてしまいます。
金貸しは、娘に運命を決める意思を選べと容赦なく迫ります。
さて、あなたがその娘だったらどうしますか?
論理的思考を用いた選択肢は次の3つに集約される。
1. 石を選ぶのを拒む
2. 財布の中身を開けて、黒い石が二つある事を示して金貸しの欺瞞を暴く
3. 黒い石を選んで、父親が監獄置くりになる事を救う代わりに犠牲になる
しかし石を選ばなければ父親は監獄送りになってしまい、石を選べばその金貸しの妻にならなければいけない。
上記の選択肢は、「娘が選ぶ石」に着目して作られている。
水平思考では、「財布に残す石に」着目する。
水平思考の回答は次の通り。
財布の中に一つを取り出して滑り落とし、地面にある他の他の石と混ぜてしまう。
そして、「財布の中に残った石を見れば、どちらの石を選んだかわかる」と金貸しに告げる。
財布には黒い石が残されているので、落とした石は「白い石」だと結論付け、娘は父親と一緒に暮らし、借金も帳消しになる。
解説
「金貸しと娘の石くじ」にて金貸しが作った「問題」は、「論理的に考えて娘に勝たせないルール」だということ。
「論理的では解決できない問題」を「水平思考で解決する」というのが水平思考ゲーム。
論理的思考では解決できない「謎」が存在する環境を作るのが「問題」。
水平思考の特徴は、時にロジカルで行くより早く到達する「近道」と、時にロジカルでは進めない壁を通る「抜け道」。
解決のための思考方法なので、問題とは対極に位置するものなのかもしれない。